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犬の小腸腺癌による腸閉塞(外科治療)

  12歳の柴犬(避妊雌)が昨日からの食欲廃絶、嘔吐を主訴に来院された。 血液検査ではCRPの軽度上昇(2.5mg/dl)がみられたが、その他の項目はSpec-cPLを含めて正常であった 腹部エコー検査にて小腸の肥厚・閉塞所見、また肝構造の全体的な不整をみとめた 小腸のFNAにてリンパ腫を否定したため、開腹手術をおこなった   閉塞所見がみられた小腸部位は硬く変化し、またその部位の前後は虚血壊死がみられた 病変・虚血部位を含んだ小腸の切除を行った また、肝臓尾状葉に肉眼的変化もみられたため、切除生検を行った 小腸の病理検査は小腸腺癌(マージン陰性)であり、肝臓は小腸腺癌の転移病巣であった。 犬の腸管の腫瘍はまれであるが、その中でも腺癌はリンパ腫に次いで発生の多い腫瘍である。 腺癌は腸間膜リンパ節、肝臓、脾臓、大網、腎臓、肺への転移が認められることもあり、また、癌性腹膜炎を起こすこともある。    

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イヌのアジソン病(副腎皮質機能低下症)

4歳のトイ・プードルが午後外来の最後の時間に『食欲がない』との主訴で来院された。1ヶ月前と比べると体重が600 g減少していた。身体検査では脱水しており、レントゲン検査では心陰影が縮小していた。血液検査ではリンパ球増多、グロブリン値上昇、コレステロール値の減少、CRP値が上昇していた。電解質異常もあり低ナトリウム血症となっていた。超音波検査では副腎の厚みが1 〜 2 mmと薄くなっていた。 ここまでの検査でアジソン病(副腎皮質機能低下症)を疑いACTH刺激試験を行う事とした。この検査は特殊な注射を投与する前後で採血を行い、血中のコルチゾールという物質を測定するもので外注検査となるためにすぐに結果はでない。しかし、できる限り早く処置を行わないと『アジソンクリーゼ』という重篤な状態に陥ってしまうため、この日はアジソン病と仮診断し治療をスタートした。 治療としては、フルドロコルチゾンおよびプレドニゾロンの内服を主軸とし、脱水状態により点滴を行った。後日報告されたACTH刺激試験の結果(コルチゾール値)は、測定限界以下であったためアジソン病と診断された。 治療開始後すぐに食欲・元気ともに元に戻り、体重も一気に増加した。     アジソン病は緊急疾患になり得る怖い病気の一つです。副腎という臓器からのホルモン(特にミネラルコルチコイド)が不足する事で電解質異常が引き起こされ、低ナトリウム/高カリウム血症の状態になります。特に高カリウム血症では不整脈のために死亡してしまうこともあります。

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犬の赤血球増加症

1か月前より興奮すると酸欠状態になる、疲れやすいことを主訴に他院を受診され、血液が濃いこと(多血)を指摘されて瀉血処置を実施していた11歳の犬がセカンドオピニオンで来院した。   当院でのスクリーニング検査において、PCV67%(基準値37-62%)と赤血球の増加を認め、また腹部超音波検査では腎臓の大きさにおいて左腎>右腎が認められた。 エリスロポエチンは<0.6 mIU/ml(基準値1.3-13.4)と低値を示した。   当院でも非鎮静下にて瀉血処置を実施した。   飼い主様には腎臓における腫瘤性あるいは浸潤病変の有無を確認する精査を提案したが、ご希望されなかったため、ご相談したうえで赤血球増加症の分類の真性多血症と仮診断してヒドロキシウレア療法を開始した。   その後の経過として、4日後はPCV54%、2週間後はPCV42%と基準値になり、一般状態も安定している。

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9歳の純粋種大型犬の脾臓に認められた巨大腫瘤(4㎏)

他院にて9歳の大型犬の脾臓に腫瘍があるので早めの手術を勧められて、セカンドオピニオンで来院した。脾臓に巨大な腫瘤が存在する場合、一般的に悪性の脾臓の「がん」はここまで大きくなる前に破裂したり、転移病巣が存在したり、副腫瘍症候群があったりするが、精査したところ、他の転移や悪い症状はほとんどなかった。その為腫瘍ではない可能性が高い。実際、脾臓全摘出手術をおこなって、病理組織検査を行った結果は、脾臓の過形成性結節で、腫瘍ではなかった。

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上顎前臼歯の歯肉の悪性腫瘍に上顎部分切除を行なった1例

12歳の大型純粋犬の歯肉の腫瘤に飼い主様が気付かれて、来院した。右上顎犬歯の尾方に第一前臼歯が隠れるくらいの大きさ(約1.5cm)の腫瘤が存在していた為、その腫瘤に対してFNAによる細胞診をまず行ったところ、非上皮系の悪性と思われる細胞が見られた為、診断をより確実にするため、上顎部分切除術を実施することになった。そこで術前検査を一通りした結果、エコー検査により、脾臓の腫瘤が存在することがわかった。かなり低エコ―の部分もあり、いつこの腫瘤が破れて腹腔内出血が起こるか分からないので、まずはこの脾臓の大きなマス病変に対して脾臓の全摘出手術を行ない、同時に歯肉腫瘤のバイオプシーを実施し、その後CT検査により腫瘍の周囲への浸潤や上顎骨の融解等を評価した後、上顎部分切除による歯肉の腫瘍摘出手術を実施することにした。脾臓の病理組織検査は過形成性結節、また歯肉の腫瘤は歯槽骨の骨融解像もあり、悪性の非上皮性腫瘍をうたがっていたが、悪性メラノーマの疑いという診断となった。                            写真は歯肉の上顎部分切除の術中と術後。  

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