月別アーカイブ: 4月 2014

犬の前肢指間部の血管周皮腫

13歳半のプーリーの前肢指間部の腫瘤がここ1~2ヶ月で急に大きくなってきたので検査を希望で来院した。来院時の病変部(指間部の背側からの写真①、腹側からの写真②、正面からの写真③)を見ると背側の大きな腫瘤と腹側の小さな腫瘤が繋がっているように見える。背側の大きな腫瘤から針生検をして細胞診をしたところ、細胞の大小不同が著しく、類円形の大きな核や核小体を持つものや分裂像も見られ、多核の細胞も散見された。これらのことから悪性の何らかの肉腫を疑った。飼い主の方と相談した結果、根治目的の断指や断脚は希望されなかったので、完全切除が不可能な場所な為、切除バイオプシーあるいは最小限の切除縁の手術になることをご了解いただいた上で手術を実施した。写真④は術後10日目の抜糸時。 病理組織検査の結果は軟部組織肉腫の1つである血管周皮腫だった。この腫瘍は遠隔転移はほとんど無いが、局所で強い浸潤を示して増殖する腫瘍で術後の再発が効率に起こる。飼い主の方もご承知の上で今回の切除となったが、大型犬で13歳半と高齢なこともあり、再発時の抗癌剤の使用も希望されないため、限られた治療になりますが、飼い主様と一緒にワンちゃんの生活の質を重視した方法を選択して行くことになった。 写真①        写真②       写真③ 写真④          

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犬の爪床部(爪周囲)の扁平上皮癌

11歳のアイリッシュセッターが最近時々後肢を跛行することがあるということで来院。よく診ると趾骨部の腫大と爪床部に角下を伴った腫瘤(写真①)があった。この部分は圧痛があり、肉球の腫張(写真②)も伴っていた。そのため病変部のX線撮影をしたところ、末節骨(爪の付け根の骨)が融解している(写真③④)ことがわかった。この腫大した病変部の針生検の細胞診では細胞の原形質が割に青く染まり、大きめな核を持ったいわゆる幼若な扁平上皮が多く見られたため、扁平上皮癌の疑いがあった。飼い主の方と相談の上、早期の腫瘤を含んだ中趾骨遠位の関節からの断趾手術に踏み切った。(術後写真⑤) 病理組織検査の結果はやはり扁平上皮癌であった。この腫瘍は完全に切除され、周囲の血管内に腫瘍細胞は見られなかったので、良好な経過を示す可能性もあるが、爪周囲の扁平上皮癌はしばしば所属リンパ節や肺への転移も知られているため、念のため定期的な検査をしていく必要があるでしょう。 写真① 写真② 写真③ 写真④ 写真⑤  

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