月別アーカイブ: 4月 2015

大型の毛包上皮腫と肥満細胞腫を同時切除した犬

12歳のゴールデンレトリーバーの背側と腋下にあった腫瘤が最近大きくなってきたということで来院。針生検(ニードルバイオプシー)にて、背側腫瘤からは角化細胞主体の類表皮嚢腫のような細胞しか取れなかったが、腋下の腫瘤は皮下は脂肪腫、表皮の腫瘤は肥満細胞腫だったので、双方を切除することになった。病理組織検査結果は背側は毛包上皮腫という良性腫瘍で腋下は組織学的グレード分類(Patnaik)のグレードⅡに相当する肥満細胞腫という結果で、切除縁には腫瘍細胞が脈管内へ浸潤する像は確認されなかった。 写真①②腋下の腫瘤の術前術後           写真③背側の腫瘤の術前④術中⑤病巣の割面⑥術後      

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トイプードルの中耳内の耳垢腺癌

高齢のトイプードルが数ヶ月に亘る膿様の耳漏で元気もなくなっていた。レントゲン検査では骨胞内が充実性の物質で埋め尽くされており、耳道洗浄後の観察でも一見チーズ様の物質が充満していた。細菌感染を伴った中耳炎が存在し、中耳内には何らかの物質があったため、耳道内の環境の改善と、中耳内の精査のため耳道切開を実施した。その結果、中耳内には白っぽい肉片のような物質(写真①)がかなり存在していたが、そのほとんどを取り出すことが出来た。中耳内は元通りの空間が取り戻せ、洗浄などを繰り返し実施したことで、内側の汚い物質はほぼ完璧に近く取り去ることが出来た。(術後の写真②)しかし、取り出した肉片(写真③)の病理組織検査の結果は耳垢腺癌であった。この腫瘍は犬では珍しく通常は耳垢線種という良性のものが多い。ただこの子の耳垢腺癌は高分化の傾向があるので、ある程度経過が良いかもしれないが、再発に充分注意が必要だ。 写真①       写真②       写真③        

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猫の耳道壁(水平耳道移行部)の肥満細胞腫

慢性的に耳が汚れて出血があるという主訴で来院。耳道内を洗浄した後、耳鏡で観察したところ、垂直耳道から水平耳道の移行部の耳道壁に腫瘤が存在しており、表面は糜爛と潰瘍で出血していた。大きさは7~8mmと耳道の半分ほどを占めていた。術前の細胞診で肥満細胞腫が疑われたことと、出血をコントロールする目的もあり摘出手術を実施した。写真は摘出した腫瘤を含めた耳道壁および形成手術後の外観。

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猫の尿道結石に伴った尿道壊死部の穿孔(尿道腹壁置換術を実施)

中年の雄の雑種猫が最近尿の姿勢をしても少ししか尿が出ない状態だったが、昨日から殆んど出なくなったということで、来院した。膀胱は膨満して硬くなっており、血液検査では腎後性の腎不全になりかかっていた。レントゲン検査ではペニス先端から3~4cm程のところから膀胱まで尿道内を埋め尽くす量の小さな結石が存在していた。ペニス先端に一番近い尿道内には多くの結石の中で一番サイズが大きなものが存在していて、これが尿道の完全閉塞に近い状況にしていたと思われた。そこでペニスに尿道カテーテルを挿入し、外からの生食水による水圧で膀胱内に結石を押し戻す処置をした。その後、腎機能改善の為、尿道の留置カテーテルを留置し、2日間静脈点滴を行った。患者猫は状態も良くなりいよいよ3日目に膀胱切開をして膀胱内の結石を除去することにした。膀胱内の結石を全て除去し、膀胱の切開部の縫合後にカテーテルを再度膀胱に入れる際に、尿道のほぼ中間に近いところに穿孔している部分が見つかり、しかもその穿孔部周辺は白っぽく変色壊死して生活力の無い様相を呈していた為、飼い主様とのご相談を充分した上で尿道腹壁置換術を実施することになった。術後の経過も良く、あと3日程で抜糸となるが、その後の尿道瘻開口部周辺のケアが最も注意が必要で、この猫さんの寿命も飼い主の方の努力如何に掛かってくる。こまめに衛生管理をすることと、感染を起こしていないかの定期的な通院をしての検査なども必要になってくる。 写真は術中のもので①傷んだ尿道部の確認、②尿道の穿孔部の尾側側の縫合、③尿道から膀胱にカテーテルを入れ、尿道に縦に切開を入れたところ、④尿道断端を恥骨の筋膜に縫いつけたところ、⑤尿道の裏に皮下脂肪などの組織をくぐらせて尿道をやや弓なりにする。周辺の余分な脂肪や組織をトリミングし、皮膚と尿道開口部の粘膜上皮を合わせるように縫合する。⑥尿道切開周囲と皮膚の縫合と皮膚同士の縫合がほぼ終わってきたところ。⑦X線検査による尿道内の結石の存在⑧膀胱内にも沢山の膀胱結石 写真①         写真②         写真③         写真④         写真⑤         写真⑥         写真⑦         写真⑧  

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ヘルニア嚢内に前立腺が入っていた犬のソケイヘルニア

14歳のミニチュアダックスフンドが最近頻尿になってきた、気張る様な動作をするなどの症状があるということで、来院。他院にて以前よりソケイヘルニアがあることは分かっていたが、老齢の為手術が難しいと言われていた。今回はルーティンの血液検査とレントゲン検査およびエコー検査にて左右にソケイヘルニアが存在していたが。右の会陰部のヘルニア内に前立腺が入り込んで外側に突出しており、それによる排尿の異常や気張る動作があったと思われた。飼い主様とのご相談で、心臓・肝臓・腎臓その他の異常はなく、健康状態は良好だった為、手術を実施することになった。下の写真左は術中の右側のヘルニアを切開したところで、周辺の癒着した様子と腫大した前立腺が見える。前立腺は膿瘍になっており、術中の前立腺内の膿瘍内のサンプルの細菌培養と感受性テストで抗生物質を選択使用し、経過良好で完治した。写真下は術後。

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