月別アーカイブ: 4月 2016

犬の脾臓のマージナルゾーンリンパ腫

13歳のシーズーが中手骨を骨折し、手術をすることになったが、術前検査の     X線検査で中腹部のマスが見つかり、エコー検査で脾臓のマスであることが分    かった。飼い主の方との相談の結果、脾臓の全摘手術により、病理組織検査を     することになった。病理組織検査の結果は悪性リンパ腫でしかもマージナル      ゾーンリンパ腫というものだった。これは低グレードのリンパ腫とされている     が、組織所見で核分裂像がやや多いことから術後の十分な経過観察が必要で      ある。 写真はレントゲンとエコー検査、そして術中の 脾臓とマス。            レントゲン所見で腎臓と膀胱内に結石が存在するのも確認できる。                

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老猫の皮膚に発生した多中心性表皮内扁平上皮癌(ボーエン病・ボーエン様表皮内癌)

かなり老齢の日本猫が慢性の皮膚炎があり、舐め壊してただれているということで、抗生物質等で治療していたが、一向に良くならないので、思い切って皮膚バイオプシーによる診断をすることになった。病変部は両前肢の手掌部とその外側また手根内側にも痂皮形成や潰瘍をともなっており、頸部腹側や左前肩部の皮膚にも糜爛、痂皮、出血などが見られた。4ヵ所のパンチバイオプシーをした皮膚病理検査の結果、診断は「表皮内扁平上皮癌(ボーエン病)」であった。猫では稀にしか発生がないそうだ。単発性で局所的、また転移の証拠がなければ、外科的切除で良好な場合が多いとされているが、この患者さんは複数で足先の複数広範囲の発生なので、外科切除は難しい。また放射線治療なども慢性腎不全のある猫さんなので、全身麻酔がかなり難しい。そこで局所の外用療法(イミキモドクリーム)を選択し、始めている。 下の写真はそれぞれの病変部を示す。    

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老犬の指先に発症した爪下角化棘細胞腫

11歳の雑種犬が前肢第5指にケガをしたらしいということで、他院にて治療をしていたが、治らず次第に悪化した為、当院に来院した。来院時は前肢の跛行と剃毛により第5指の指全体の腫脹と爪の異常な形状と皮膚の糜爛と出血が存在した。X線検査で指骨の部分融解があり、感染や腫瘍の疑いがあるため、飼い主の方と十分ご相談した上で、腫瘍の切除バイオプシー、つまり断指手術をすることになった。そして病理組織検査の診断名は「爪下角化棘細胞腫」:これは爪下上皮の腫瘍性病変でそこに二次的な炎症を伴っていた。基本的には良性だが、わずかな領域に異型性や配列の乱れなどを伴っており、癌化ししつある状態も考えられるというコメントだった。                 また、エコー検査にて肝臓全域に円形の低エコー部が数多く存在していたため、術後の全身の定期検査や精査が必要と思われた。 写真は術前の前肢の病変部2方向と、X線写真、術後の写真、そして肝臓のエコー写真。  

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老齢のヨークシャーテリアの腎臓の線維腫症

10歳の去勢雄のヨークシャーテリアが健康診断の際にX線検査とエコー検査により、左腎臓の腫瘤と肝臓の外側右葉のやや高エコーのマス様病変が見つかった。左腎の腫瘤のFNA(針生検)では採取された細胞が少ないのと、線維細胞様の非上皮系細胞が少数とわずかな好中球くらいしか見られなかった。炎症性の腫瘤ではないので腫瘍の可能性が高かった為、血液検査や尿検査、さらに血管造影をして、腎機能が正常で右の腎臓も機能がしっかり働いていることを確認したうえで、飼い主の方の同意も得られたため、腫瘤のある左腎の全切除および肝マスの部分切除による両方の病理組織検査をすることになった。術後も順調に回復し、念のため腎機能の保護の意味もあり、点滴治療を数日して退院となった。術後の病理組織検査での診断は左腎の腫瘤は線維腫症ということだった。線維腫症とは線維組織の良性腫瘍、反応性増生、特発性過形成等の総称とされる。治療は一般的に切除によって治癒するとある。肝マスの病理組織検査は確定診断には至らなかったが、肝細胞癌が形成されつつある可能性もあり、慎重な経過観察が必要とのコメントだった。    写真はX線写真(見やすいため血管造影写真)と腎・肝のエコー検査の写真、術中・術後の左腎と肝マスの術前術後。    

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インド犬(パリア犬)の老犬に起きた腸間膜癒着が原因の便秘

13歳の雌のインド犬が4日前から急に便が出なくなったので、近医に診ていただいたがはっきりしたことが分からず、大学病院を紹介したい旨を伝えられたため、過去に掛かったことがある当院に来院した。X線検査の単純撮影では骨盤腔手前まで糞塊がきているが、その先にはガスがいくらか残留しているだけという状態で、はっきりしたことが分からないため、肛門からカテーテルを介して造影剤を注入して評価してみたところ、下行結腸の途中から急に細くなりさらに蛇行して糞塊の溜まった大きな結腸に続いていた。つまりそこは何らかにより絞扼または狭窄する原因があることが判明したため、開腹することになった。その結果、腸間膜の一部が結腸に癒着し、しかも腸間膜の破れたところから結腸が蛇行して入り込んでいた。従って癒着部分を切断し、結腸の位置を戻すことで解決した。術後は大量の便が2日間に渡って5~6回も排泄された。写真は直腸造影のX線写真と術中の写真。                                                                               … 続きを読む

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