月別アーカイブ: 6月 2016

猫の鼻咽頭ポリープ

2歳の日本猫が半年前から風邪の症状があって、点鼻薬と抗生剤の内服等で治療を受けていたが、ほとんど改善せず、1か月ほど前から呼吸が苦しそうになり、食べたものを嘔吐するようになった。またぐったりしてきたため、1週間入院点滴の治療を受けた。呼吸を楽にするため酸素ボックスに入れていた。他院の診断では食道狭窄と拡張があるといわれた。その後も相変わらず呼吸が苦しそうだたため、セカンドオピニオンのため当院に来院。もう一度血液検査とレントゲンを撮らせていただいた。検査結果は血球検査では白血球増多、特に好中球・単球・リンパ球・好酸球が多かった。血液化学検査はすべて正常だった。レントゲン検査では食道裂孔ヘルニア(正常に戻ったり、出たりする)とそれによる食道拡張症、漏斗胸が存在することがわかった。しかし呼吸音から上部呼吸器系の狭窄や腫瘍(若いのでリンパ腫等)、あるいは鼻咽頭ポリープが存在する可能性があった。その日のX線検査では咽喉頭の何かがあることは分かったが、はっきりしないので、川崎にある日本動物高度医療センター(JARMEC)に行っていただき、どうせ麻酔をかけるのなら、そこで検査と手術をお願いすることをお勧めした。その結果、透視撮影によるX線検査をしていただき、鼻咽頭に腫瘤があることが分かった。飼い主の方は川崎まで通えないということで、手術を当院ですることをご希望されたため、後日手術となった。内視鏡の検査やバイオプシーをしていなかったため、それを目的に麻酔をかけ、もし鼻咽頭の腫瘤で可能であれば、切除バイオプシーをすることにした。結果、鼻咽頭の有茎状の腫瘤だったため、切除し、病理組織検査は鼻咽頭ポリープという診断だった。このポリープがかなり大きかったため、吸気時に陰圧となり漏斗胸も加わって二次的に裂孔ヘルニアを起こし呼吸困難になったり、吐出などを起こしていたと考えられた。術後は急速に改善し、呼吸正常となり、嘔吐や吐出もなく、裂孔ヘルニアも起こしていない。骨室胞には異状ないためポリープを切除するだけとしたが、今後は定期検査も必要である。 写真はレントゲンの画像と術前の咽頭部から見えるポリープ、そして摘出した鼻咽頭ポリープ。    

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フクロモモンガの去勢手術

フクロモモンガを複数飼育していらしたお宅で、2匹の雄を去勢手術を希望されたので実施した。この種類の動物の去勢は手術自体は眼科器具を使用しての繊細な手術というだけで、特に難しいことはありません。むしろ術後の術創の保護、防護の方がとても注意が必要です。エリザベスカラーを手作りして、それが外れないように頚部に1か所、体側に2か所のバンデージとそれらを連結させるバンデージを装着する。装着後はストレスでおかしくならないか、掻きむしってバンデージがズレないか、傷に異状がないかなど飼い主の方の協力も非常に大切です。下は手術中の写真と飼い主の方のための術後の注意点をまとめたものです。                                                                               … 続きを読む

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