月別アーカイブ: 1月 2019

犬の小腸腺癌による腸閉塞(外科治療)

  12歳の柴犬(避妊雌)が昨日からの食欲廃絶、嘔吐を主訴に来院された。 血液検査ではCRPの軽度上昇(2.5mg/dl)がみられたが、その他の項目はSpec-cPLを含めて正常であった 腹部エコー検査にて小腸の肥厚・閉塞所見、また肝構造の全体的な不整をみとめた 小腸のFNAにてリンパ腫を否定したため、開腹手術をおこなった   閉塞所見がみられた小腸部位は硬く変化し、またその部位の前後は虚血壊死がみられた 病変・虚血部位を含んだ小腸の切除を行った また、肝臓尾状葉に肉眼的変化もみられたため、切除生検を行った 小腸の病理検査は小腸腺癌(マージン陰性)であり、肝臓は小腸腺癌の転移病巣であった。 犬の腸管の腫瘍はまれであるが、その中でも腺癌はリンパ腫に次いで発生の多い腫瘍である。 腺癌は腸間膜リンパ節、肝臓、脾臓、大網、腎臓、肺への転移が認められることもあり、また、癌性腹膜炎を起こすこともある。    

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イヌのアジソン病(副腎皮質機能低下症)

4歳のトイ・プードルが午後外来の最後の時間に『食欲がない』との主訴で来院された。1ヶ月前と比べると体重が600 g減少していた。身体検査では脱水しており、レントゲン検査では心陰影が縮小していた。血液検査ではリンパ球増多、グロブリン値上昇、コレステロール値の減少、CRP値が上昇していた。電解質異常もあり低ナトリウム血症となっていた。超音波検査では副腎の厚みが1 〜 2 mmと薄くなっていた。 ここまでの検査でアジソン病(副腎皮質機能低下症)を疑いACTH刺激試験を行う事とした。この検査は特殊な注射を投与する前後で採血を行い、血中のコルチゾールという物質を測定するもので外注検査となるためにすぐに結果はでない。しかし、できる限り早く処置を行わないと『アジソンクリーゼ』という重篤な状態に陥ってしまうため、この日はアジソン病と仮診断し治療をスタートした。 治療としては、フルドロコルチゾンおよびプレドニゾロンの内服を主軸とし、脱水状態により点滴を行った。後日報告されたACTH刺激試験の結果(コルチゾール値)は、測定限界以下であったためアジソン病と診断された。 治療開始後すぐに食欲・元気ともに元に戻り、体重も一気に増加した。     アジソン病は緊急疾患になり得る怖い病気の一つです。副腎という臓器からのホルモン(特にミネラルコルチコイド)が不足する事で電解質異常が引き起こされ、低ナトリウム/高カリウム血症の状態になります。特に高カリウム血症では不整脈のために死亡してしまうこともあります。

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