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パグ犬の軟口蓋過長症の手術

パグやフレンチブルドッグといった短頭種のワンちゃんに起きやすい『短頭種気道症候群』という呼吸がとても苦しくなってしまう病気があります。   短頭種は鼻孔・鼻腔・咽頭がせまく、また軟口蓋という口腔内の天井部(硬口蓋)から後方にのびた柔らかい部分が通常より長いことにより(軟口蓋過長症)気道をふさいでしまうことなどが原因で発症します。   これらは先天的な要因ですが、それに加え『肥満や高温・多湿、興奮』といった、呼吸に影響をあたえる状態・行動がさらに病態を悪化させてしまい、場合によっては呼吸困難で命に関わる場合もあります。   長期慢性的に気抵抗が上昇していると、喉頭軟骨の変性や気管虚脱が生じることがありますが、その状態になる前に外科的に軟口蓋を切除する選択肢があります。   今回の症例は1歳齢のパグ(未避妊雌) 間欠的ないびき・喘鳴音が日常的にみられため、 ①避妊手術と同時に ②軟口蓋過長部位の切除 ③鼻腔狭窄に対する鼻翼切除  を行った。   短頭種は呼吸器の先天的な形態の異常が認められることがあるため、一般的な犬の麻酔よりもリスクを伴うことがある。   当院では短頭種でも安全に麻酔がかけられることを、術前検査として血液検査・レントゲン検査・心電図などを実施し総合的に判断をしてから麻酔を実施している。   今回の症例の動脈血酸素飽和度(SpO2)は覚醒時で94~95であった(基準値は95~100)   また当院では、避妊・去勢手術を含む全ての手術で、静脈カテーテル留置・気管挿管を行い、さまざまなモニターで動物の状態を把握している。   ↑過長している軟口蓋をけん引し、切除・縫合しているところ 今回の手術は金子院長が担当   麻酔覚醒時は呼吸が安定化するまで、気管チューブを抜管せず留置し、酸素室で穏やかな覚醒を行った。(麻酔科の安獣医師が担当) 術後は良好で、呼吸がスムーズであったため、予定通り手術翌朝に退院した。   短頭種犬の飼い主様で、呼吸が苦しそう、麻酔のリスクが心配(歯石処置含め)という方は、当院に一度ご相談ください。  

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