メインクーンの頚部気管のリンパ腫

13歳のメインクーンが1~2週間前から鼻がグズグズ音がしたり、ゼーゼーするようになってきたという主訴で来院。かなりの吸気性の努力呼吸による呼吸困難でしたので、すぐにICUの高濃度酸素室に入れて安定化したところで、血液検査およびレントゲンを撮った。結果、糖尿病と中等度の胆管肝炎があったが、X線検査で頚部気管の重度の狭窄がみられたため、できるだけ早期にステント等で気管を広げる処置をする必要があった。そこでジャーメック(日本高度動物医療センター)をご紹介した。入院から4日後、酸素ボンベ持参で移動中も酸素を吸入した状態でジャーメックに行っていただき、ステントの装着を実施。細胞診により節外性ハイグレードタイプのリンパ腫という診断結果が出た。リンパ腫は体のあらゆるところに発生する可能性がありますが、頚部気管に発生するタイプは珍しい。退院後は肝疾患の治療と糖尿病のインシュリン治療とリンパ腫の化学療法を実施、現在も継続治療をしているが、一般状態はきわめて良く、初診から約2ヶ月になるが、腫瘍は全く消失しており、呼吸は正常、糖尿もコントロールできており、胆管肝炎も治癒している。

下の写真は初診時の頚部の狭窄部とステントを入れた後のレントゲン写真

 

 

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