交通事故で分かった大きな2つの腫瘍

高齢犬が交通事故に遭って骨盤の複雑骨折を起こしてしまった。全身の身体検査検査と完全血球検査、血液生化学検査、尿検査、さらにレントゲン検査、エコー検査をした結果、慢性僧帽弁閉鎖不全と車の衝突によると思われる肝障害、筋肉の損傷、血尿、骨盤の5ヵ所以上の複雑骨折が分かったが、更に肺の後葉の大きな腫瘍を疑う腫瘤と左腎の腫瘍化が見られた。15歳にもなる高齢犬なので 飼い主の方は骨折や腫瘍の手術を望まず、外傷による障害の内科療法を希望された。完全な疼痛管理と輸液療法を主体にした治療により、元気食欲が戻り、起立はできませんが、前足で移動することも出来るようになったので、1週間程で退院となった。今回の交通事故はこの子にとって不幸な出来事でしたが、事故に遭わなければ、これらの腫瘍の発見がなかったということですから、これからの余生をどのように有効に暮らしていくかを前向きに考えてあげてほしいと思います。  
  

 

上の左の写真は骨盤の複雑骨折、右は肺の後葉に出来た腫瘤

 

 

 上の左のレントゲン写真は大きく歪な左腎を示している。右は左腎のエコー検査の写真で本来の腎臓の形体と構造が失われている。

 

 

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