トイプードルの開放性の大腿骨複雑骨折

1歳弱のトイプードルが3階のマンションから落下し、救急で運び込まれた。来院時はまったく起立できず、腰砕けの状態だった。粘膜再充満時間(CRP)は2秒以上あり、ショック状態だったので、まずは静脈を確保して輸液を開始、同時にルーチンの血液検査とレントゲン検査を行なった。結果は幸いにも胸部には損傷が無く、腹部は恐らく落下時の衝撃で肝臓にダメージがあったと考えられる肝酵素(ALTとAST)の中等度の上昇があった。左の大腿部外側の皮膚には穿孔したと思われる穴が2ヶ所(写真①)あり、骨折端の位置と一致していることと、X線写真の筋肉内に複数の空胞が存在する(写真②)ことから、大腿骨の開放性の複雑骨折であることが分かった。開放性骨折の手術はステンレスのピンとバーを用いた外固定が理想的だが、この犬種は活発に動くタイプなのと、飼い主のお住まいが遠距離なので、頻回の外用処置のための通院が難しいということもあり、特殊なプレートと螺子による手術をすることになった。(写真③は術中・写真④は骨折整復後のX線写真)

写真①        写真②

写真③        写真④

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