ジャーマンシェパードの胃捻転症候群による緊急手術

雄の10歳のジャーマンシェパードが1ヶ月前に嘔吐があって来院した時はレントゲン上も異常なく、対症療法のみで、2日程で嘔吐も食欲も改善してその後も異常がなかったが、今回は2日前から元気食欲なく、昨晩から全く食べなくなったと言うことで来院された。来院時はかなりの虚脱状態で腹部の膨満があったので、まず套管針を経皮的に胃に直接穿刺し、胃内ガスを抜き、すぐにX線検査をした。(写真①は腹背像と写真②は側面像)どちらも胃の幽門部と噴門部が180度逆の位置になっている。すぐに緊急手術となり、開腹し捻転を戻したが、血行障害による脾臓のうっ血壊死を起こしてきていたので、大きさや色が戻らなかった(写真③)ため、脾臓摘出も実施した。重度の場合胃の壁も血行障害のため壊死を起こすことがあるが、この患者さんは胃壁の色は辛うじて紫色にはなっていたが、壊死までには至らなかったため、胃壁と腹壁のベルトループ法による胃固定術を実施して(写真⑤)閉腹、手術を終了した。(写真⑥はベルトループ法を図示したもの)術後は経過がよく、食事療法を行い5日目に退院した。

写真①

 

写真②

写真③

写真④

写真⑤

 

 

 

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