イヌからヒトへ感染したSFTS「重症熱性血小板減少症候群」(院長)

世界で初めての犬から人へマダニによるウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群」が徳島県で報告があり、マスコミにも紹介された。新聞各社の説明を参考にして下さい。

〈新聞から〉

世界初、飼い犬から人へマダニ感染症 徳島の男性

   2017/10/11 09:51(徳島新聞)

  

 徳島県は10日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群

(SFTS)」に、県内の40代男性が飼い犬を介して感染、発症していたと発表し

た。県によると、犬からの感染確認は世界初。男性と犬は既に回復している。

 男性は飼っている中型犬(4歳、雌、雑種)の体調が優れないため、6月3日に県

内の動物病院を受診。軟便や血便、発熱などの症状があり、山口大の検査を経て同下

旬、SFTSと診断された。

 男性も同中旬に38度台の発熱や嘔吐、下痢の症状が出たが1週間ほどで回復。動

物病院と山口大が因果関係を疑い、9月に入って国立感染症研究所が男性の血液を調

べた結果、感染していたことが9月下旬に判明した。

 男性にマダニにかまれた痕はない。犬にかまれてもいないが、看病する際に手で餌

をやるなどしており、ウイルスに汚染された唾液や便を介して感染した可能性があ

る。

 犬は室内で飼育しており、散歩で外出した際にマダニにかまれたとみられる。県に

よると、犬の発症が確認されたのは国内初。

 SFTSは国内で2013年に初めて患者が確認されてから全国で303人の患者

が報告され、うち59人が死亡。県内でも23人が感染し7人が亡くなっている。哺

乳動物からの感染確認は珍しく、昨年、野良猫にかまれた西日本の50代女性が死亡

したのが初めての感染事例で、今回が2例目。

 県は「発症していない犬や猫からの感染は心配ない」とした上で、同じ布団で寝る

などペットとの過剰な接触に注意を呼び掛けている。相談窓口は県動物愛護管理セン

ター〈電088(636)6122〉。

 

 <厚労省>徳島の男性がマダニ感染症に飼い犬通じ感染、発症

10/10(火) 19:19配信 (毎日)

 

 ◇「重症熱性血小板減少症候群」 男性も犬も現在は回復

 厚生労働省は10日、徳島県内の40代男性が今年夏、マダニが媒介するウイルス

感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に飼い犬を通じて感染、発症した

と発表した。男性も犬も現在は回復している。

 動物を介した感染では、7月に野良ネコにかまれ死亡した例が確認されたが、ペッ

トを通じた感染の確認は初めて。同省は体調不良のペットとの過剰な接触を控えるよ

う注意喚起している。

 厚労省によると、6月初旬に、ペットの大型犬(雑種メス4歳)が発熱するなど元

気がなくなり、動物病院に行った。一方、男性も1~2週間後に発熱や激しい下痢な

どの症状を訴えた。

 その後、検査で飼い犬の感染が分かったため、国立感染症研究所が男性の検体も調

べ、犬から男性への感染が判明した。厚労省は、マダニにかまれた犬の体をなでたり

さすったりしたことが感染の原因とみている。

 SFTSはマダニが持つウイルスに感染する病気。致死率が高く、国内では初めて

患者が確認された2013年以降、303人の発症が確認され、59人が死亡してい

る。発症は西日本が多く、死亡はすべて50代以上。感染後6日~2週間で発熱や嘔

吐(おうと)、下血などの症状が出る。

 厚労省の担当者は「健康なペットからは感染しない。ペットが体調不良になったら

接触を控え、直ちに動物病院を受診してほしい」としている。【山田泰蔵】

  

マダニ感染症、ペットから人に感染 世界で初確認 徳島

 10/10(火) 19:23配信 (朝日)

 

 マダニが媒介する感染症として知られる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に

ついて、厚生労働省は10日、徳島県で飼い犬から人に感染し、発症したと発表し

た。いずれも発熱などの症状が出たが、現在は回復している。ペットから人への感染

が確認されたのは世界で初めてという。

 厚労省などによると、今年6月、徳島県内の40代男性が飼っている4歳の雑種犬

に、発熱や血便などの症状が出て、SFTSウイルスが検出された。県や国立感染症

研究所の調査で、飼い主の男性も同月、発熱や下痢などを訴え、1週間の点滴治療を

受けていたことが判明。男性の血液からSFTSウイルスの感染を示す抗体が検出さ

れた。

 男性にマダニにかまれた痕跡はなく、感染研は男性が犬の世話をする中で唾液(だ

えき)が手に付着し、目などの粘膜を通じて感染した可能性が高いとみている。厚労

省は体調不良のペットを世話する際に体液に触れた場合は、手をよく洗うよう呼びか

けている。感染研の西條政幸・ウイルス第一部長はペットのSFTS感染はまれだと

して、「健康なペットでは過剰に心配する必要はない」と話している。

 SFTSは春から夏、秋にかけて発生することが多い。国内では2005年以降今

年9月27日現在で303人が発症し、うち59人が死亡。多くはマダニにかまれて

発症したとみられるが、今年7月には野良猫にかまれた女性が死亡していたことが明

らかになった。(野中良祐)

  

マダニ感染症、「犬から人に」…国内初確認

 10/10(火) 20:22配信 (読売)

 

 マダニを介してうつるウイルス性の「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)を

発症したペットの犬から飼い主が感染したと徳島県が10日、発表した。

 犬から人への感染が確認されたのは国内で初めてという。飼い主も犬も症状は回復

している。

 徳島県によると、感染したのは県内に住む40歳代の男性。6月上旬、飼っている

雑種の雌犬(4歳)に発熱や血便などの症状が表れ、動物病院を受診した。SFTS

を疑った獣医師が専門機関に検査を依頼し、SFTSと診断された。

 男性も当時、同様の症状で体調を崩しており、国立感染症研究所(東京)で9月に

血液を調べたところ、SFTSに感染していたことを示す抗体が検出された。

 男性にはマダニにかまれた痕跡がなく、犬になめられるなどしてウイルスが体内に

入ったとみられる。

 徳島県は「発症した犬の唾液やふん便にウイルスが混ざっている可能性もあり、過

剰な触れ合いは控えてほしい」と呼びかけている。