福岡県いわき市の震災後の状況視察と茨城県東海村の日本原子力研究機構/高エネルギー加速器研究機構の訪問

 

 
福島県いわき市の副市長と市議会議員の方および農林水産部の担当の方達と面談し、葉山ロータリークラブの夏のイベント活動を通じていわき市の農水産物のアピールをさせていただくことになった。市の農業技術センターでは農作物の一つ一つを精密な放射線量測定器で測定し、安全のための地道な作業が続いている。ここで少しでも異常値が出れば、県の検査センターに確認を取ることになっている。ちなみに小名浜港の大気・海水中の放射線量は2011年7月より0.1μ㏜以下で、年換算放射線量は788μ㏜/年ということですので、1人当たりの自然放射線量の世界平均2400μ㏜/年をはるかに下回っている。  
 
その後、津波被害の大きかった豊間地区と小名浜港周辺を市議会議員の方と職員の方に案内していただきましたが、豊間地区の津波は9メートル近かったので、被害も大きく、未だにほとんどすべてが土台だけを残して、全く家はない状態でした。また瓦礫は学校の運動場や野球場、その他のスポーツ施設に積まれており、現在青少年のスポーツをする場所が無いことが問題になっているそうです。  
 
また茨城県東海村の日本原子力研究機構/高エネルギー加速器研究機構(J-PARC)の大強度陽子加速器施設を訪問した。東海村と言うとJCOの原子力(臨界)事故が起きた場所と言うことで、単に原子力研究所のようなあまり良くないイメージがあったのですが、行ってみて考えが変わりましたし、大変感動しました。それは原子力だけでなく、高エネルギー加速器の研究機関でもあり、世界最高性能の研究施設でした。東京ドーム14個分と言う敷地に3台の大型陽子加速器や種々の実験施設が設置されており、宇宙誕生の謎探求から医薬品および医療への開発研究、新しい産業の創出の可能性まで幅広い分野の研究が行なわれています。しかも国内のみならず、世界中の研究者に門戸が開かれており、研究結果を公表する限りは無料でこの研究施設を使用出るということです。施設内の案内をして頂いた方はこの研究施設の研究職の方だそうですが、大変有能な方であることが分かりますし、とてもお話がお上手で、原子核をバラバラにすると発生する中性子やニュートリノまで楽しく勉強をさせていただきました。これを期に私は是非色々な方に東海村のこの施設を一度は訪れて見ていただくことをお勧めしたいと思いました。