JAHA国際セミナーに参加して。

7日~9日までの3日間、日本動物病院福祉協会(JAHA)主催の国際セミナーに出席してきました。講師はアメリカ獣医内科学専門医のDr.Coates(コーテス)でした。内容は神経学的疾患の診断(歩様の評価から)についてから始まり、脳神経障害胸腰椎の椎間板疾患、更に前庭疾患、非感染性炎症性中枢神経疾患の診断と治療そして予後についても詳しい解説がありました。またコーテス先生が生涯をささげてきた研究だとおっしゃる犬の変性性脊髄症については、かなり発生の原因がわかってきており、好発犬種があることや遺伝的素因/遺伝様式が解明されてきた為、今まで行なわれてきた臨床検査や画像診断に電気的診断検査や遺伝子検査を加える事によりかなり確定診断に近づいてきましたし、将来遺伝子治療などに発展する可能性もあるということです。この疾患の発症年齢は平均9歳ですが、病気ゆっくりと進行性で、経過は6ヶ月から3年といわれ、ふらつきに始まり、後肢不全麻痺~完全麻痺、前肢も麻痺し、歩行困難、排尿排便失禁、その後呼吸器の機能に問題が出てくると死亡して行くことになる難病の一つです。治療に関しては現在のところ、有効性のある治療法は無く、有効性の認められた薬剤や栄養補助食品についても未だに無いと言われている。運動療法や理学療法は病気の初期には有効性があるが、それ以降は病的な筋肉に疲労を起こさせ、逆に進行を加速させる危険性があるとも言われている。当院では現在ウエルシュコーギーの変性性骨髄症の進行した患者さんに鍼治療と中草薬の治療を継続しています、現在のところ治療を始めてからはとても元気ではつらつとしているという評価を頂いております。