高齢の大型犬の歯肉に発生した腫瘍ですが、歯肉の腫瘤が2カ所見つかった。見た目ではどちらが良性腫瘍なのか悪性腫瘍なのかなどは判別できません。そこで針生検を行った結果、1つは上皮系細胞と非上皮系細胞が混在しており、それらの細胞には核の悪性所見等が見られた。もう1つの方は採取された細胞数が少なく、非上皮系細胞と思われる細胞が散在しているだけだった。診断をはっきりさせるため、腫瘤の一部組織生検を行った。その結果、上の写真の腫瘤は歯肉腫で、下の写真の腫瘤は口腔内メラノーマだった。かなり高齢ということもあって、その後の積極的な治療を望まなかったため、緩和療法となった。