若いミニチュアダックスフントの耳の脱毛症(先天性血管症)

1歳のミニチュアダックスフントが4ヶ月前頃から両耳の耳介の脱毛と色素沈着、痂皮形成(かひ・かさぶた)が進行してきた。ミニチュアダックスに多い耳介の脱毛にはパターン脱毛というのがあるが、通常は成犬で発症し、均一な脱毛で痂皮などは形成しない。下の写真のような病変は今まであまり見たことがなかったので、皮膚のバイオプシーによる病理組織検査を実施した。その結果、先天性血管症による循環障害に合致するもので、合併症や鑑別として、カラーダイリューション脱毛症や黒色毛胞形成異常症にも配慮が必要というコメントだった。治療としては血管の強化剤や末梢血管を広げる作用の薬剤、さらに被毛の代謝を促進したり、被毛そのものを強化するようなサプリメントなどで根気良く治療していくことになる。いずれにしても皮膚の病理組織検査の重要性を改めて実感した。

 

 

 

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