15歳の猫の大腸腺癌(盲腸・結腸および空腸)

15歳の日本猫が4日前から食欲低下と軟便がみられたということで、来院した。そして1ヶ月前から600gも体重が減少していることが分かり、腹部触診で3~4cmのマス(しこり)が触知されたため、精密検査をさせていただいたところ、X線検査では特に異常所見はなかったが、超音波検査で回腸・盲腸・結腸の移行部の回盲結口のところにマスがあることが分かり(写真①・②)、回腸の一部や結腸および盲腸の壁が肥厚して内腔が異常に狭窄している(写真③)ことが分かったため、いずれにしても狭窄部を開通させる必要があることから、異常部分を切除し、その切除した検体を病理組織検査することになった。診察してから2日後に手術になったが開腹すると2日前には無かった腹水がかなり溜まっており(やや白濁:写真④)、腹膜には1~3mmの白っぽい小結節が多数存在していた(写真⑤)腹水排出後回腸(4~5cm)・盲腸(全体)・結腸(4~5cm)を腫瘤ごと切除し、結腸と回腸の吻合術を行なった(切除前:写真⑥、術後:写真⑦)。術後は経過順調で、翌日は飲水のみで、2日目に流動食を少量からスタートしたが、毎回100%の食欲で、順調に回復して1週間後に退院した。腸管を10cm以上切除したので、通常排便は1ヶ月間は下痢や軟便が続くが、病理組織検査で大腸癌ということが分かり、しかも腸間膜の多数の小結節はこの腺癌の転移という結果でしたので、予後はあまり良くありません。場合によっては何も治療をしなければ、1ヶ月以内に状態が悪くなることもありえます。現在これからの治療については家族で協議中です。

写真①・写真②

写真③

写真④・写真⑤

写真⑥・写真⑦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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