重度子宮蓄膿症に膀胱結石と胆石を伴った13歳のミニチュアダックスフンド

未避妊のミニチュアダックスが1週間前から元気食欲無く、水ばかり飲んでは嘔吐するという症状で来院。体温は低下ぎみで、脱水があり、かなり痩せていた。また椎間板ヘルニアの手術を3年ほど前に受けており、排尿、排便がうまくできていなかった。血液検査では好中球の左方移動と単球増多を伴う著しい白血球数の増多が見られた。血液化学検査ではアルカリホスファターゼの上昇があった。X線検査所見は恐らく膨大した子宮と思われる部分が腹部全体を占めており(写真①)、また膀胱内に結石が2つ存在し(写真②③)、胆嚢内にも結石が見られた(写真④)。超音波検査では子宮内にやや低エコーに写る濃度の高そうな液体の貯留が確認できたため(写真⑤)、子宮蓄膿症と診断した。まずは静脈輸液を始め、その日の夜に手術となった。膨大した子宮と卵巣を切除し(写真⑥)、次に膀胱内から2つの結石を摘出(写真⑦)、そして閉腹。摘出した結石が写真⑧。食欲は翌日から出てきたが、吐物の誤嚥による局所性肺炎の為のネブライザー治療もあったため、咳も無く一般状態が良くなった6日目に退院した。

写真①

写真②       写真③

 

写真④

写真⑤

写真⑥

写真⑦

写真⑧

 

 

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