犬の約10cmのうっ血を伴った副脾

12歳になるラブラドールレトリーバーが健康診断のX線検査で、前腹部に腫瘤(マス)があることがわかった。レントゲン検査では何も異常のなかった3ヶ月前の写真①と今回のレントゲン写真②。超音波検査で8~10cm近いマスとして確認できた写真③と④。このマスは肝臓や脾臓との接点はなく、当初は腸間膜根のリンパ節の腫大か、何らかの腫瘍ではないかと考えた。しかし飼い主との相談の結果、開腹して外科的切除生検をすることになった。実際に取り出してみると大網内に包まれた円形に近い形状のマス(写真⑤)が存在し、いくらかの癒着を外して摘出(写真⑥)した。取り出したマスの割面(写真⑦)。結局、病理組織検査の結果はうっ血を伴う副脾の疑いということだった。今まで避妊手術や他の開腹手術でたまたま見つかった副脾は1cm前後のものが多かったので、今回のように10cm大の副脾は見たことがなかった。

写真①3ヶ月前

写真②今回

写真③

写真④

写真⑤

写真⑥

写真⑦

 

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