失神する犬「重度の肺高血圧症」
『2週間前から失神することがある』との主訴で来院した12歳のミニチュア・ダックスフンド。 身体検査では心臓から小さな雑音が聴取され、その他大きな異常は無かった。血液検査も概ね基準範囲内の値であった。 胸部レントゲン検査、心電図検査からは心臓の右側の問題が考えられたために超音波検査を行った。超音波検査では、右房/右室の拡大および右室肥大と三尖弁逆流が認められ、収縮期/拡張期ともに心室中隔の扁平化が認められた。さらに、肺動脈弁逆流も認められた。 各種検査結果から『重度の肺高血圧症』と診断した。 治療を開始して1週間後には失神やふらつきは減少した。 肺高血圧症というのは、全身の血圧は正常でも肺動脈の血圧が高くなっている状態です。 そのため、肺のガス交換(酸素化)の効率が悪くなり低酸素のため失神を起こします。さらに、腹水や浮腫みもみられます。 肺高血圧症になった原因を突き止めるのは非常に難しいとされています。