美術館でのんびり絵画の鑑賞に耽る

 

箱根にあるいくつかの美術館はよく休暇を利用して行きましたが、今回は都内の三菱一号館美術館とブリヂストン美術館に行ってきました。三菱一号館美術館ではイギリス人のエドワード・バーン・ジョーンズという画家の日本では初めての個展でした。私は初めて聞く名前でしたが、19世紀末にはヴィクトリア朝絵画の頂点を極めた一人で、聖書や神話・物語の挿絵や表紙にもなっており、油彩画、水彩画、素描、貴重書、タペストリーなど80点以上の作品が展示されていました。すべての絵画には物語のストーリー性があり、深い意味が込められていて、自然で忠実に、しかもソフトなタッチで描かれており、色彩がいかにもイギリス人好みの美しいものばかりで、感動しました。(上の写真は三菱一号館美術館入り口)

 

ブリヂストン美術館では「ドビュッシー、音楽と美術」というタイトルで開催されていた。フランスの有名なドビュッシーという音楽家がその時代の音楽や美術、文学、舞台芸術のジャンルを超えた総合芸術として大きな影響を与えたとされていますが、実はドビュッシーの作品は同時代の革新的な美術家である、ドガ、ルノワール、モネ、ドニ、ルドンらの絵画にとても感心を寄せていったために、視覚芸術を想わせる曲が多くあり、音声ガイドの中で流れる曲を聴き感動した次第です。しかも何と、前日に行って見て来た、バーン・ジョーンズの絵画にも深く関わっていたことも判明しました。また葛飾北斎にも会っており、冨獄36景の波の部分を楽譜の表紙に描いたりしているのも、多才で社交性のある一面がうかがわれた。(上の写真は今回の絵画展の解説書の表紙)

美術や音楽には疎い私ですが、それぞれの美術館に行くと、その芸術家の人生やその生き様が作品の中に必ず醸し出ていることが分かり、面白くなってきた今日この頃です。