16歳のネコさんの多血症

10日前に20歳のネコさんの腎臓癌が原因の多血症をご紹介しましたが、今回は16歳のネコさんの多血症です。症状は元気・食欲なしヘマトクリット値が68%、X線検査(写真①)では左腎の腫大がみられ、エコー検査では左腎に3cm×4.5cm大の腫瘤(写真②)が認められ、右腎には1.2cm大の低エコー部(写真③)が存在していた。左腎の腫瘤の針生検で上皮系の悪性腫瘍細胞(写真④)が散見された。従ってこのネコさんも腎臓癌の可能性が高い。以前から慢性腎不全があったことと、年齢が高齢なため、この飼い主の方も積極的な治療は希望されなかったため、数日の静脈輸液の後、皮下輸液にして維持していくことになった。もちろん定期検査をしてモニタリングしながら体調の変化に伴った治療をしていくことになる。猫の腎臓の腫瘍はリンパ腫が圧倒的に多く、ステロイドによく反応したり、化学療法によって寿命をある程度よい状態で延ばせることが多い。しかし何故か前回と今回の症例はどちらも腎臓癌だった。かなり珍しい症例が重なったが、これらのネコさんにとっては今後のいわゆる予後が心配である。

写真①

写真②

写真③

写真④

 

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