手袋の誤食

ガーデニング用のゴム手袋を誤食してしまったとの主訴で5ヶ月のゴールデン・レトリーバーが来院されました。誤食してからそれほど時間が経過していなかったため、催吐処置(薬剤を投与して吐かせる処置)を行いましたが、ゴム手袋は吐出できませんでした。

次に、内視鏡処置で取り出せなかった場合は開腹手術を行う必要があることをオーナー様に説明し、全身麻酔での内視鏡処置を行いました。内視鏡を食道から胃に入れてみると、ゴム手袋は腸に流れ込むことなく胃の中にあったため鉗子と呼ばれる器具でつかみ引っ張り出すことができました。誤食してしまった異物は通常、数時間程の間、胃の中に貯留し、半日以上経過すると、小腸・大腸へと流れ、便となって排泄されます。しかし、異物が消化不能な物で小腸の直径より大きなものである場合、小腸で詰まり小腸閉塞を起こします。

小腸閉塞なってしまった場合は開腹手術となり、動物の体へもかなりの負担がかかります。もしもペットが異物を誤食してしまった場合は早めに動物病院へ連絡してください。

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