14歳のシェルティーの膀胱癌

 

頻尿で血混じりの尿をする、長い時間排尿姿勢をしても尿が出ない、ということで検査をすることになった。尿検査で尿に血液反応があり、尿中の沈査の細胞診で上皮系の悪性細胞が多数見られ、さらに超音波所見(上の写真)で、膀胱内の背側尾方に2.1cm×1.9cmの腫瘤が見つかった。

 

 

 

腫瘍は膀胱三角といわれる尿管の開口部に近いところに存在していたので、手術で腫瘍を完全に周辺から大きく取ることができません。そのため飼い主様と相談の上、周辺リンパ節や肺などの転移が見られないので、できるだけ腫瘍を摘出し、術後には化学療法を実施することになった。左の写真は膀胱切開して、膀胱内の腫瘍がみえているところで、右の写真は取り出した腫瘍を示している。摘出した腫瘍は病理組織検査により移行上皮癌(膀胱癌)と言う診断結果だった。術後は抜糸が終わり、現在抗炎症剤であり、抗腫瘍効果のあるピロキシカムというお薬を使い始め、さらにシェットランドシープドッグと言う犬種は10%以下ではありますが、MDRI遺伝子に異常があるために抗癌剤が上手く代謝できない場合がありますので、現在確認のため血液による遺伝子検査をしており、結果が出次第抗癌剤を使っていく予定です。膀胱の容積が狭くなっていますので、頻尿気味ではありますが、すでに尿の血液反応が無くなっています。

 

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