10歳のウサギの皮膚の腫瘍

10歳のウサギさんの体幹部の表皮に出来た腫瘍。左は術前、右は術後。ウサギの皮膚の”できもの”として最も多いのがパスツレラ感染による膿瘍でしょう。この子の”できもの”は良性腫瘍でしたが、手術をご希望されましたので、摘出いたしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

15歳の猫の大腸(下行結腸)の腫瘤

 排便時の慢性の出血があり、食事療法や対症療法(止血剤)を行なっても、改善しない15歳のネコさんの全身麻酔下での内視鏡検査およびバイオプシーの写真。左がサイズ約1cmの腫瘤、右がバイオプシー鉗子で腫瘤を掴んでいるところ。病理組織検査は休み明けになりますが、細胞診では腫瘍の疑いがあります。

 

猫の胃内異物と胃の潰瘍を伴った症例

 

   

2日前に食べた生米が大量に胃内に残っており、胃壁一面に付着していた。原因は胃内異物(ビニールの塊が3個)が幽門を閉塞し、食べた生米が通過障害を起こしていた。おまけに3cm程の針まで飲み込んでいた。左の写真は胃切開により異物の摘出手術をしているところ、右は胃壁に大きな潰瘍ができていた部分をお見せしている。

猫の口腔内の腫瘤

 

 

猫の口腔内の腫瘤には扁平上皮癌やリンパ腫などの悪性腫瘍と良性の腫瘍、さらにこの症例のような好酸球性肉芽腫といわれる炎症性の肉芽腫があります。細胞診でほぼ診断がついていた為、レーザーメスで切除した。左が術前、右が術後

猫の子宮蓄膿症

 

猫の子宮蓄膿症は犬から比べるとごく少ないと言えますが、やはり避妊手術をしないと起こりやすい。この猫ちゃんは8歳でしたが、室内飼いで出産歴がないため、より確率高くこの疾患になってしまったのでしょう。上の写真は手術で摘出した卵巣と子宮です。

肛門周囲腺癌と肛門周囲腺腫

肛門の周囲には肛門周囲腺の組織がありますが、そこにできる腫瘍が主に肛門周囲腺腫(良性)と肛門周囲腺癌 (悪性)で、この2つを鑑別するには、針生検による細胞診では難しいため、やはり病理組織検査が必要です。左写真が肛門左上にできた腫瘤、右は切除後。病理組織検査の結果、肛門周囲腺癌でした。大きな腫瘍の場合、切除後に肛門の機能が落ちて、排便障害を起こすこともありますが、今回は肛門括約筋の損傷が最小限で済んだため、機能障害は起こらなかった。見た目ではやはり、良性か悪性かを判断するのは難しい。  

 

   

前足の爪周囲(爪床部)の「できもの」

老齢のフラットコーテッド・レトリバーの爪の周囲の潰瘍を伴った腫瘤(右端の写真)と両側の耳介の辺縁及び耳介表面(中央)に多数の腫瘤が存在。複数のバイオプシー(生検)を行なった結果、全ての腫瘤が好酸球性肉芽腫であることが分かりました。通常このような爪の周囲に発生する腫瘤は発生場所や犬種からしても、悪性の腫瘍が多いのですが、ラッキーなことに炎症性の腫瘤(肉芽腫)でしたので、ステロイドホルモンの治療でみるみる改善しました。どんなに悪そうに見えても必ずバイオプシー(生検)をして細胞診または病理検査をするべきです。     
     

線状異物による腸閉塞と腸重積を伴った犬の手術

   
   

糸状の異物により、腸全体がたぐられて、小腸全体がアコーデオン状になり、小腸壁の広範囲にわたる複数の裂け目ができて、腹膜炎を起こしていた。また異物が影響した腸重積になっていたためその修復手術及び異物摘出、5箇所の小腸の裂傷の手術を実施した。
写真は左から小腸のアコーデオン状の変化と腸重積、そしてその下に取り出した異物(布の塊)とそれと繋がっていた糸状の異物

異物の腸閉塞により、腸管部分切除を行なった

異物が小腸に閉塞し、食欲廃絶・嘔吐頻回となって、4~5日経っていた。
異物が長時間閉塞していたことにより、腸管の壊死が起きてしまっていた為、腸管の部分切除手術になった。
写真は閉塞していた腸管と切除した部分、そして摘出した異物(木片が2つ)

耳道内の腫瘍の切除

耳道内の壁に腫瘍ができて、次第に大きくなり、耳道の慢性炎症を起こしていたため、切除することになった。
U字型に切開する方法で、ZEpp氏法とも言われる。
この手術は慢性化した外耳炎や中耳炎の治療のため実施される方法ですが、余り大きくない腫瘤の切除にも応用できます。