ワンコたちの毎日の散歩

私の所にはワンコが3頭います。ラブラドールレトリーバーとフレンチブルとマルチースですが、それぞれが訳ありでうちに来る事になった子供達です。ラブもフレンチも6歳でマルチースは8ヶ月の子犬です。3頭いるとそれぞれの運動要求量が異なるので、1時間程ですが多少工夫して散歩に行っています。夏は日中の気温が高いのと、地熱特にアスファルトが高温になっていますので、散歩の時間は朝の8時頃までには帰宅、夜は8時以降になってから出かけるといった具合にしています。フレンチブルは短頭種で暑さに弱く、熱中症にもなり易いためバギーを常に押して体温が上昇して呼吸が怪しくなってきたらそれに乗せるようにし、バギーの底にはクールマットを敷いています。ラブラドールはやはり熱さには弱い方なので散歩中は首にクールカラーを装着しています。当然ですが水は常に用意し、欲しそうな顔をしたら飲ませるようにしています。過保護と言われればそうかも知れませんが、犬は呼吸でしか体温調節ができない動物であることと、普段人と一緒に家の中で暑さを感じないで生活している犬にとっては、必要なことだと思っています。もちろん愛犬家の皆さんにとっては当たり前の事だといわれそうですが。朝は家内1人で3頭を散歩に連れて行き、夜は私と娘の3人で行くようにしていますが、毎日1時間の散歩は精神的にも肉体的にも自分の健康にとって良いことだと実感しています。  
下の写真は昨晩散歩から返ってきたばかりの家の前で撮ったものです。   

日本獣医がん学会に参加して。

6日と7日の2日間麻布大学で日本獣医がん学会が開催された。今回のがん学会も大変面白い内容で勉強になった。

特に色々な皮膚病変(例えば壊死性遊走性紅斑・剥離性皮膚炎・皮膚脆弱症候群・腫瘍随伴性脱毛症)を併発したそれぞれの異なった腫瘍との関連性については、やはりこういう症例を見ておかないと見過ごす可能性があることがわかった。

また犬と猫の乳腺腫瘍については、日常多く経験しているが、針生検は診断価値はあまりないように言われてきたが、少なくとも全例についてやることが推奨されるということや腫瘍のステージ分類は根治的手術か緩和的手術かの判定基準に応用すること、さらにマイクロサテライト解析が悪性・良性の診断に役立つこと、などが挙げられた。いずれにしても予防的避妊手術(卵巣子宮全摘出)を若いうちに実施することと、腫瘍切除の際に避妊手術をしておくと乳腺の良性腫瘍が予防できることが最近わかった。そして早期発見早期治療が基本となることは言うまでもないことでしょう。

これからの癌治療の傾向

アメリカ獣医内科学会腫瘍学専門部会元会長、アメリカ獣医内科学認定専門医(腫瘍学および内科学)でコロラド州立大学獣医生命医学部名誉教授であり、Cancer Care Specialistsという二次診療施設で診療しているDennis W.Macy先生の国際セミナーに出席してきました。

先生の癌罹患動物に対する基本的な治療方針は、癌を完全になくす(根治させる)ことだけが目的ではなく、癌が体に多少残っていても、それが大きくならず留まっているのならば、しかも動物が快適に生活できているなら、その状態を維持して、できる限り寿命を延ばしてあげられる、より副作用のない治療を選択して、それを続けるということなのです。

その具体例をご紹介しますと、                                            ①化学療法剤の癌への局所療法:                                全身的に投与するよりも、癌の病巣に直接作用させるので、抗癌作用の効率が良く、副作用がより少ない。                                             ②癌が育つために必要な血管の成長を止める作用のある分子標的薬(成長阻害剤)を併用することで癌を大きくさせないようにする。                                               ③抗血管新生薬(非ステロイド性抗炎症剤・COX2阻害剤)とメトロノーム式化学療法(少量頻回投与)で穏やかに治療して癌を育てなくする。                                               ④凍結手術や温熱療法:                                     皮膚(肢端部含む)や鼻鏡、眼瞼、肛門周囲、口腔内の腫瘍に用いることで、身体の機能不全や機能低下が起こるような外科手術を避けることができる。                                          ⑤犬の悪性黒色腫(メラノーマ)のDNAワクチン療法により、従来の治療法と比べ、安全にそして寿命が格段に延長することが証明された。 

れも体に優しい癌の治療法だと思いませんか?               これからの抗癌治療はこのように、より副作用が無く、患者さんがより永く快適に生活できるような治療方法の開発が進んでいくと思います。

講師を囲んでのウェルカムパーティーに出席した写真です。左から3番目がDr.Macyで右から4番目が私です。

   

 

 

 

 

 

野鳥・ムクドリの保護

ムクドリが落鳥しているのを発見した方が保護して、当院に持ち込まれた。両足が麻痺しており、明らかな神経症状があった。排泄物も黒っぽい色をしており、消化管の出血を示唆していた。当院のエキゾチックを専門に診ている大竹先生は鉛中毒の疑いがあるとのことで、X腺検査をしたら、腸管内に数ヶ所、小金属片が写っていた。鉛のキレート剤であるブライアンと言う薬剤を使用して治療に入ったが、その後も治療の反応なく、3日目に亡くなってしまった。鉛中毒は自然の中では通常起こらない病気です。恐らく人間の捨てたものを口にしてしまったのかもしれません。何とも言えない虚しさに襲われました。  
   

辛い最後の決断

先日、11歳のゴールデンレトリーバーが亡くなった。この子は以前睾丸の腫瘍ができて摘出手術をしたことがあり、病理組織検査でセミノーマとセルトリー細胞腫の2つが同時にみられる腫瘍でした。その数年後、定期的な健康診断で、副腎腫瘍が見つかり、左の副腎腫瘍の摘出手術をしました。病理結果はかなりめずらしい褐色細胞腫というものでした。その一年後の今回、ほんの少し足を挫いたようになった程度で、下腿骨の骨折をしてしまった。通常なら骨折の整復手術をして1~2ヶ月後にはまた走り回ることが出来たはずだったのですが、骨折部の遠位(下方)の骨端部に骨の吸収像と骨膜反応などが存在することが分かり、さらに肺のレントゲン写真で小さなマス(塊状)病変やリンパ節(前胸部・肺門部)の腫大が見られ、骨腫瘍または以前の腫瘍の転移と思われる所見が得られた。その結果今後の治療について飼い主の方とご相談をする事になった。

治療の選択肢の1つ目は通常の骨折の整復手術をした場合 : その予後は今回おそらく骨の腫瘍が原因で骨皮質がもろくなって骨折した可能性が高いので、術後もうまく修復しない可能性が高いのと、うまく整復できたとしても腫瘍の進行により、融解した骨腫瘍の部分で再度骨折する可能性が出てくる。

2つ目は骨折している右後肢の断脚手術をした場合 : 骨折部および腫瘍による疼痛はなくなり、3本足になっても反対側の関節疾患などがないので、通常の生活はできるようになる。しかし数ヵ月後には肺の腫瘍転移が次第に増大して肺癌で死亡することになるだろう。これは化学療法をしない場合、結局、断脚をしてもしなくても寿命に関しては変わらない。

3つ目は何もしなかった場合 : 骨折による疼痛と腫瘍による疼痛があり、腫瘍による疼痛はそれが進行してくるとさらに激しい疼痛を伴い、麻薬やそれにに相当する鎮痛剤を使用しても、なかなか痛みのコントロールが難しくなってくる。また肺の腫瘍はしだいに大きさや数の増加呼吸が苦しくなってきて、最終的には呼吸困難になってくる。

飼い主の方は以前よりあまり無理な延命処置を望まない方針でしたので、その他の化学療法や放射線療法、或いは四肢温存手術療法などは詳しく説明は致しませんでした。

これらをご説明してこれからのご希望をお聞きしましたら、大変悩まれ、いくつかのご質問にもお答えしましたが、しばらく結論が出ませんでした。そして最後に「もし先生のワンちゃんだったら、どうされますか?」という質問をされました。この質問は時々飼い主様から求められることがありますが、この回答は実は大変むずかしいことで、飼い主の方の治療に対する理解度、終末治療に対する考え方、その方の動物に対する思い入れ、個人の性格やその時の精神状態、家族の他の方との考えの相違、また、輸血治療など宗教に関与することもあり、色々なことに配慮してお答えしなければなりません。今回の飼い主の方は以前からよく存じ上げている方で、動物に対してあらゆる知識と経験をもっておられ、非常に冷静で客観的に物事を判断される方でしたので、私自身の考えを素直にお伝えしました。「私の子だったら、この段階ではとても決断するのは難しいですが、この先を考えると楽にしてあげる処置(安楽死)と言う選択をするかもしれません・・・。」 しばらく沈黙があり、次のような決断をされました。「この子が痛がったり、苦しんだりするのを見たくありません。ですから楽にしてあげてください。」目を赤くしてそう言った後、お別れをしたいので会わせて下さいとおっしゃって、ワンちゃんの顔を優しく撫でながら、何かを話しかけ、最後に一言やさしく「ありがとう、さようなら」といってお別れをしました。そして当院で一番古くから動物看護師をしている綿貫さんと抱き合って悲しみを共有しておりました。我々もこの飼い主の方の気持ちが充分わかるだけにスタッフも私も涙が溢れてしまいました。とても辛い決断でしたが、この子にこれ以上の苦痛を与えたくないという、とても深い愛情と思いやりの決断だったと思います。

こうした安楽死という辛い最後の決断は、人それぞれのお考えがありますので、必ずしも正当化されるものではないですし、もし自分がこの子の立場だったら、どう感じているかを考えてあげることも必要ではないかと思います。その上で飼い主がその子にとってベストな方法を選択されると良いのではないでしょうか。またわれわれ獣医療に携わる人間として、動物の体の状態や治療方法、治療後の予後(将来)等を伝えることはもちろん、さらに動物の”気持ち”を代弁してあげることも大切だと考えております。

 

腫瘍外科の3日間の国際セミナーに参加して。

24日~26日の3日間に亘るJAHA国際セミナーに出席してきました。内容はアメリカ獣医外科専門医、ヨーロッパ獣医外科専門医、オーストラリア獣医学会小動物外科フェローでもあるジュリアス・リプタック先生の腫瘍外科のセミナーでした。リプタック先生はカナダのオタワにあるAlta Vista Animal Hospitalという病院で腫瘍外科を特に専門にしている世界的に有名な獣医外科専門医です。今回も私にとって、とても有用なセミナーでした。今までほとんど手をつけなかった心臓の右心房の血管肉腫の切除や肋骨の骨肉腫の場合の肋骨6本までの切除とその後の整復法、前肢の撓骨遠位端の骨肉腫の切除後に2種類のプレートを使った手術など最新の安全かつ術後合併症や感染症を起こし難い方法が紹介された。日本ではまだすぐには応用できませんが、断脚をせざるを得ない場合、将来、肢端部に皮膚と親和性が強い素材の義足を装着することも可能になりそうです。以前に当院のホームページの今年3月の症例報告にもある副腎の褐色細胞腫の術前述中管理法についての注意点なども経験しているだけに大変参考になった。他にもその手術症例に合った鎮痛剤の使い方や最近使っていなかったTAステープラーの適応など、数多くの手術手技のコツと最新治療を勉強できた。  
   

日曜日の午後にアフリカンフェスタ

ロータリーの奉仕活動に関しての情報提供をしていただいて、色々お世話になっているAMDA社会開発機構(開発途上国の貧困と健康増進に取り組んでいる国際協力NGO)の山上さんにお会いするため、11日(土)と12日(日)の2日間に渡って、横浜赤レンガ倉庫で開催されたアフリカンフェスタ2013in Yokohamaに日曜の午後行ってみました。気温は25℃、雲一つない真夏のような陽気で、アフリカンミュージックの生演奏の大音響が会場にとどろき、アフリカンフェスタにぴったりの雰囲気になっていた。会場はアフリカ各国のファッションやグッズはもちろん、アフリカンフードコーナーも数え切れないほどありました。またアフリカの27の各国大使館がそのお国の文化の紹介や民芸品の展示・販売もしていましたし、何と53ものNGOの団体が活動内容やグッズの販売をしていました。私もAMDA社会開発機構の山上様としばらくお話した後、広い会場を一回りして珍しいアフリカの民芸品を買ったり、エチオピアのコーヒーをいただいたり、初めての国内最大規模といわれるアフリカンフェスタを楽しんできました。下の写真は当日のパンフレットです。 

 
   

英国人ヒーラ(Heela)先生の送別会

昨晩、恩師のヒーラ先生の送別会に招かれ、家族三人がパーティーに参加してきました。二人の娘は14~15歳の頃からお世話になり、家内も私も英語のレッスンを受けていましたが、それ以外のプライベートに色々なお付き合いをさせて頂きました。ヒーラ先生は以前英国のBBCに勤めており、完璧ともいえるブリティッシュ・イングリッシュを話し、インテリジェントな方で、日本の歴史・文化・芸術にも詳しく、逆に我々が教わることが沢山ありました。パーティーは、さすがにインターナショナルな雰囲気で、アメリカ人、フランス人、ドイツ人等国際色豊かでしたが、日本人の方々も大勢いらっしゃいました。総勢60人近くでしたでしょうか。会話の内容は皆さんヒーラ先生との日本での楽しい思い出話ばかりでした。2次会は場所を移して更に盛り上がり、アメリカからi-Padでスカイプを介して友達とおしゃべりしたり、意外な方と知り合いになったり、とても有意義な時間を過ごせました。16日には鎌倉を離れ、20日に日本を発たれるそうですが、お住まいはイングランドの北西部の湖水地方に近いところだそうです。落ちついたら一度訪れてみたいと思っております。先生の写真入のインフォメーションにはこんなコメントが入っていました。富士山をバックにした鎌倉の海岸の写真にはLeaving home イギリスの湖水地方の写真にはcoming home  そして最後に  

In all things, it is the beginnings and endings that are interesting.

 

 
 

中央がHeela先生

 

 

 

NPO法人・救助犬訓練士協会の八ヶ岳国際救助犬育成センター竣工・開所式

数年前から救助犬訓練士協会(RDTA)の村瀬理事長とのご縁で、微力ながらいろいろなご協力をさせていただいておりますが、今回、長野県諏訪郡富士見町で行なわれた国際救助犬育成センターの第一期工事の竣工・開所式に出席してきました。ここは八ヶ岳を背に、甲斐駒ケ岳、北岳、そして霊峰富士を望む絶好の場所です。竣工式後、村瀬さんの今後のセンターの開設予定や訓練用の設備の説明などがあり、沢山の愛犬家の方々や国内のいくつかの救助犬訓練士の団体やドイツの救助犬育成の第一人者といわれるアルフォンス・フィーゼラー氏、台湾の救助犬訓練士など海外の方々も熱心に聞いておられました。午後からフィーゼラー氏の講演がありましたが、我々は午後から失礼させていただきました。今後は益々発展され、国内はもとより世界的に活躍されることを期待いたしますと同時に、より一層皆さんのご協力をお願いしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

毎年恒例のスポーツ大会

 

いつもは逗子マリーナでテニス大会でしたが、今年は予約が取れずボーリング大会となった。4チームでのチーム対抗戦とし、男性はハンディーキャップ付きとした。今回目立ったのは個人では藤田(看護師)選手。1回目のゲームから2回3回とやっていくうちに目まぐるしい進歩を成し遂げ、最下位から、佐久本(獣医師)選手の1位に次ぐ2位に躍り出ました。また北口(看護師)選手の誰にも真似のできないパフォーマンスで、みんなを楽しませてくれた場面も貴重でした。ブービー賞の滝沢(獣医師)選手はカレーの三点セットに18禁カレーとやらもあって、うれしそうでした。  

朝の入院治療を終え、先発隊が予約登録をし、幹事の佐久本先生、野尻先生が景品の用意をしてくれたお陰でスタッフみんなが、とても楽しい一日を過ごさせてもらいました。ありがとうございました。

 

写真はボウリング場で罰ゲーム用のコスプレを着用しての記念撮影と葉山魚寅さんで食事後の景品を手にしての集合写真。