小型犬の膝蓋骨脱臼の手術

小型犬に多い膝蓋骨脱臼ですが、グレードの低いもので、症状がまったくないものは手術の必要がありません。 痛みによる跛行などの症状があって、将来関節炎などによる合併症が出て歩くことが出来なくなる可能性があるものについては、やはり手術が最も良い治療法になります。

腸間膜リンパ節膿瘍を伴った消化器型リンパ腫

発熱と下痢が続いた雑種犬に試験開腹を実施し、病理組織検査にて腸間膜リンパ節膿瘍と小腸のリンパ腫の診断が出た。細菌培養感受性試験の結果から2種類の抗生物質とリンパ腫については抗がん剤治療を実施した。現在治療中で下痢の回復が見られている。

皮膚悪性腫瘍の切除方法

1cm程の腫瘤でもそれが悪性腫瘍ならば、周囲2cm以上外側から切除する必要があります。深さにおいても皮下組織の下の筋膜か、更に下の筋層までの切除になります。写真は皮膚の1cm程の肥満細胞腫の切開したところと縫合が終わったところです。

前立腺内と尿道に結石が閉塞した犬




前立腺と尿道に複数の大小の結石が詰まってしまい、排尿困難になって来院しました。すでに重度な腎不全になっていましたので、緊急にまず静脈輸液を始め、閉塞していた結石を全て膀胱に戻してから、膀胱切開により結石を摘出した。

左の写真から前立腺内の2つの結石、下段左が膀胱切開により結石を摘出しているところ、右が摘出した7つの結石。

胃内異物の摘出

石を呑んでしまいその後食欲低下と嘔吐が見られた犬の胃切開による摘出手術。
左の写真が胃切開して石を摘出しているところ。右の写真が胃の縫合を終えたところ。

猫の頬にできた肥満細胞腫

  

猫の左目の下の頬にできた肥満細胞腫という、いわゆる皮膚癌が最近急に大きくなってきたということで来院した。針生検(ニードルバイオプシー)による細胞診で肥満細胞腫と診断し、飼い主と相談の結果、病理組織検査の目的も兼ねて、手術による摘出を実施した。皮膚に余裕のない場所のため大きく切除した後に、皮膚弁を移動させる移植手術を行った。術前(左)と術後数日(右)の写真。

膀胱の腫瘍摘出手術

血尿の症状が治りにくかった猫で、超音波検査にて膀胱の頭側に腫瘤が見つかり、
尿検査では大きめな上皮系の細胞が多くみられたため、手術による摘出となった。
写真は上段左から超音波検査の写真(分厚くまた突出した膀胱壁)、手術中のややいびつになっている膀胱、そして膀胱の1/3に当たる腫瘤を含めた膀胱壁を切除したところ、一番下の写真は切除した腫瘤を含めた膀胱壁。
病理組織検査の結果は非常に珍しい膀胱腺腫という良性腫瘍でした。

帝王切開

交配後64日目のポメラニアンでしたが、以前に2回のお産がありましたが、二度とも最初の赤ちゃんが産道に詰まってしまい、死産を経験していたため、今回は体温低下や陣痛もなかったが、胎児が過大児になってきていたため帝王切開をお薦めした。
写真は過大児になってきていた胎児2頭がレントゲンで確認できる。
2頭とも元気に娩出し、母親の母乳を飲んで順調に育っている。

膀胱結石摘出手術

市販のフードを食べていたヨークシャーテリアですが、12歳になって頻尿・血尿の症状が出て、大きめな膀胱結石が発見されました。尿検査でストラバイトという結石であることがわかりました。 治療は食事療法と抗生物質等の数ヶ月かけての内科治療と手術による摘出とがありますが、飼い主様は手術による早期解決を希望されました。
左写真はレントゲンによる膀胱内の円形結石。右の写真は手術による膀胱結石の摘出をしているところ。

臍ヘルニアの整復手術

 

臍ヘルニアは先天的な疾患で、遺伝性です。
ヘルニア部分(ヘルニア輪)の大きさは様々で、ヘルニアの内容は通常腸間膜や脂肪ですが、大きなめなヘルニア輪ですと、そこから腸管が出てきてしまい、血行障害で腸管壊死をしてしまうこともあります。
簡単な外科手術で修復できます。写真左が外観、右がヘルニアの内容物(脂肪)です。