JAHAの腹部/軟部外科・認定病院指定セミナーに出席して

3日間の腹部/軟部外科のセミナーに参加してきました。講師はノースキャロライナ州立大学教授・アメリカ獣医外科専門医のDr.マシューで、内容については消化管全般(胃から結腸・肛門直腸手術)及び敗血症性腹膜炎、胆管系の外科、門脈体循環シャント、内分泌系腫瘍の外科的治療、尿管の外科等についての詳細な内容のセミナーでした。特に門脈体循環シャントの新しい治療方でセロハンのテープを使用する方法が紹介されたり、褐色細胞腫やインスリノーマ、上皮小体機能亢進症の術前術後の注意点、尿管結石の治療にWピッグテイル尿管ステントを使用する方法、また異所性尿管の診断と治療(レーザー治療)など新しい内容がまたまた沢山ありました。明日から役立つ素晴らしい内容でしたので、早速応用して行こうと思っております。

秋を体感してきました。

 

休暇をとって山中湖近くの富士ゴルフコースに行って来ました。富士山は上の方は雲に隠れて見えませんでしたが、裾野に日が当たり雄大な景色を見ることが出来ました。以外に周辺の山々はまだ緑がいっぱいで、紅葉らしいところはほとんどみられません。ただゴルフ場を歩いていますと、周辺のススキの野原や、きれいに紅葉している樹木をみつけたり、足元に落ちているどんぐりの実や松ぼっくりなど(上の写真)、秋を感じさせてくれるものが、たくさんありました。やはり自然に接することは人にとっても動物にとってもとても大切なことですね。

こんな事が頭に浮かびました。動物の換毛は日照時間と関連があります。室内だけで飼われている動物は夜遅くまで電気をつけて起きている飼い主の生活の影響を受けてしまい、日照時間の延長により、換毛期というものがなくなりダラダラと毛が抜けてしまう事になります。ですから毎日外で散歩をすることはそういう意味でも大切なことなのです。

 
   

お月見団子

 

昨晩は中秋の名月で本当は満月でお月見の日なのですが、生憎の大型台風が通過し、とんでもない天気となってしまいました。私は東京に出張していましたので、夜帰りましたが、家内が気持ちだけのお月見団子を作っていたのです。脇にはすすきの生け花もありましたが、花より団子でこちらが面白かったので、写真を撮りました。

お盆の絵は満月をあしらったもので、右のお団子の山は家内と娘の手作り、左は日影茶屋さんのうさぎのお饅頭だそうです。

 
   

3日間の皮膚科専門国際セミナーに出席

講師はミシガン州立大学の皮膚科教授Dr.Rosserで、特に興味を持っているのが食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の分野と言うことでした。

3日間18時間に及ぶ講義でしたが、長時間座っているといつも腰が痛くなるのですが、そんなことも忘れるくらい、おもしろい内容でした。

アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、皮脂腺炎、猫の好酸球性肉芽腫症候群、季節性側腹部脱毛症、対称性狼瘡様爪異栄養症、猫の痒みをもたらす疾患の診断と管理、皮膚の薬物反応など、診断治療の新しい方法が紹介された。

飼い主の皆さんにはアレルギーの診断方法や検査方法、そして食事療法を含めた痒みのコントロールとその治療方法について、最新で最善な方法をご一緒にご相談しながら、実施して行きたいと思っております。

鎌倉市総合防災訓練に参加!

 

28日(火)10:00~鎌倉市山崎浄化センターにて総合防災訓練が行なわれました。今回の訓練では初めて湘南獣医師会(鎌倉・逗子・葉山の獣医師)が参加し、ペット同伴避難者対応訓練を実施することになりました。ペット同伴避難者役は鎌倉市在住の方達で今回は小型犬から大型犬まで8頭のワンちゃん達の飼い主の方が代表で参加していただきました。

 

 

 
下の写真はその他の主な訓練の様子で、救出・救助訓練、消火訓練、炊き出し訓練、ヘリコプターによる孤立住民救助訓練、災害対策本部長(松尾市長)のご挨拶など。

 

 

 

 

湘南の地域はペットの飼育率が非常に高く、災害時のペット同伴避難者やはぐれたペット達の収容などの対策が急務だと思います。鎌倉市がまず初めにその必要性に理解を示し、今回の防災訓練のペット同伴避難者対応訓練の実施になった訳ですから、是非、逗子市や葉山町もこうした対策にもっと積極的になっていただけると、いざという災害時にペットの飼い主と動物が不幸な事態になることが防げると思います。我々湘南獣医師会は以前から災害時の動物の保護収容と飼い主の捜索等について検討してきましたが、現在ではさらにマイクロチップの埋め込みを実施することの必要性を公表し、各病院で推進しています。

マイクロチップを皮下に埋め込んでおきますと迷子や災害時の混乱の中でも、マイクロチップリーダーの読み取りにより、確実にペットと飼い主を結びつけることができます。この小さなチップは特殊な注射器で瞬時に簡単に皮下に注入できます。詳細は動物病院に聞いてみてください。

 

 

美術館でのんびり絵画の鑑賞に耽る

 

箱根にあるいくつかの美術館はよく休暇を利用して行きましたが、今回は都内の三菱一号館美術館とブリヂストン美術館に行ってきました。三菱一号館美術館ではイギリス人のエドワード・バーン・ジョーンズという画家の日本では初めての個展でした。私は初めて聞く名前でしたが、19世紀末にはヴィクトリア朝絵画の頂点を極めた一人で、聖書や神話・物語の挿絵や表紙にもなっており、油彩画、水彩画、素描、貴重書、タペストリーなど80点以上の作品が展示されていました。すべての絵画には物語のストーリー性があり、深い意味が込められていて、自然で忠実に、しかもソフトなタッチで描かれており、色彩がいかにもイギリス人好みの美しいものばかりで、感動しました。(上の写真は三菱一号館美術館入り口)

 

ブリヂストン美術館では「ドビュッシー、音楽と美術」というタイトルで開催されていた。フランスの有名なドビュッシーという音楽家がその時代の音楽や美術、文学、舞台芸術のジャンルを超えた総合芸術として大きな影響を与えたとされていますが、実はドビュッシーの作品は同時代の革新的な美術家である、ドガ、ルノワール、モネ、ドニ、ルドンらの絵画にとても感心を寄せていったために、視覚芸術を想わせる曲が多くあり、音声ガイドの中で流れる曲を聴き感動した次第です。しかも何と、前日に行って見て来た、バーン・ジョーンズの絵画にも深く関わっていたことも判明しました。また葛飾北斎にも会っており、冨獄36景の波の部分を楽譜の表紙に描いたりしているのも、多才で社交性のある一面がうかがわれた。(上の写真は今回の絵画展の解説書の表紙)

美術や音楽には疎い私ですが、それぞれの美術館に行くと、その芸術家の人生やその生き様が作品の中に必ず醸し出ていることが分かり、面白くなってきた今日この頃です。

 

 

葉山花火大会

 

   

 

左の写真は昨晩7時に森戸海岸から見えた夕焼け空に現れた山の影らしき珍しい景色。中央の写真は森戸海岸の花火大会のひとコマですが、他の地域の派手な花火と違って、葉山らしい趣きと風情があって、私はとても気に入ってます。非番のスタッフも夏らしい装いで花火を楽しんでいました。(右の写真) 

 
   

消化器病スペシャリストセミナー

(公益社団法人)日本動物病院福祉協会(JAHA)の消化器病学のスペシャリストセミナーに3日間出席してきました。ヨーロッパ獣医内科学専門医のDr.アレンスパックのご専門は消化器病の特に炎症性腸疾患(IBD)についてお詳しいとのことでした。そのため講義内容が、IBDの新しい情報(新しい治療法と病因解明になりつつある遺伝子検査など)や犬猫の膵炎と胆管肝炎・胆嚢炎・胆管炎のアップデート等、今までと、かなり異なった治療法になってきたと言う印象でした。この内容はいつものように、院内の報告会でスタッフ全員にに伝達し、勉強してもらう予定です。

 

夏はやっぱりBBQ

 

 

本日も30℃を越える猛暑でしたが、バーベキューと冷えたビールで、暑さも忘れ、日頃の疲れを癒しました。キャッチボールをしたり、波打ち際で童心にかえって遊んだり、釣りをして餌のイソメで奇声を上げたり(それでもタナゴやスズキ(稚魚)、ベラ、メゴチをゲット)、風通しの良いテント内のエアーベットで昼寝をしたり、それぞれがリラックスできたようです。帰る準備を始めてから、急に雲行きが悪くなり、雨が降り始めましたので、本当にラッキーでした。

 
   

シェジーの生涯

昨日、シェジーちゃんという雑種犬が救急で来院し、病院で亡くなった。16歳を過ぎていた。肝臓や腎臓、心臓も機能が落ちて来ていたが、食事の量も少ないながらも、何とか食べて家の中を歩き回ることも出来ていた。しかし昨日から急に食べなくなり、赤黒い下痢が急に出てきて、無目的に苦しそうな鳴き声を出すようになって、急遽来院した。しかし容態は悪く、意識がほとんど無く、体温の低下、血圧低下、努力呼吸、粘膜色蒼白、まさに死期の近い状況だった。飼い主の奥様は苦痛のないようにしてあげたいと言う希望でしたので、パッチ式の麻薬系鎮痛剤を使ってあげようということになりましたが、容態がさらに急変し、1時間ほどで自然に呼吸停止そして心停止になりました。

シェジーちゃんが来院してから、病院の待合室で、今後の事を何度もどなたかと携帯電話で相談をされていました。電話のお相手は海外にいらっしゃる息子さんだったのです。息子さんが学生の頃、家族の方たちも仕事の関係でイスラエルにいらしたそうで、湾岸戦争の空襲を経験し、飼い主に二度も捨てられたという子犬を新聞で見つけ、かわいそうなので飼ってあげる事になったそうです。一番可愛がっていた息子さんが今月末に帰国する予定だったので、何とかそれまで元気でいて欲しかったということだったのです。当然の事ですが、奥様は当初大変興奮し、そして落胆しておりましたが、長時間苦しむと言うことも無く、ゆっくりと呼吸も止まっていき、自然に心停止をしていった様子を見て、やや気が楽になったようでした。また休日の時間外にドクターが2名いて、私もたまたま居合わせましたので、大変感謝していただきました。

シェジーの亡くなった後、イスラエルにいた時の若かりし頃のシェジーとご家族のお写真を拝見させていただき、さらにお手紙も頂きました。お手紙の一節をご披露させて頂きます。

シェジーという名は聖書中の王、ヒゼキア王のあだ名で意味は「エホバ(聖書の神)が強める」です。私達はこの子にとっては3度目の飼い主ですが、この名は最初の飼い主から貰いました。最後にシェジーの母国語ヘブライ語で感謝の意を表したいと思います。

・・・・・・・ヘブライ語の文章(表記不能)・・・・・・・翻訳:ボクを100%看護して下さり、ありがとうございます。ボクを忘れないで。

飼い主に二度も見捨てられ、戦火を生き抜いてきたシェジーちゃん、やさしい家族に引き取られ、幸せな生涯を送られて、本当に良かったね。やすらかに眠ってください。