専門診療 腎臓科

当院における腎臓科

獣医統括部長 循環器科担当獣医師 滝沢 崇葉山どうぶつ病院では、動物達が少しでも長く飼主様と一緒に元気で楽しい時間を過ごせるように、循環器の診療にも力を入れております。
動物の高齢化に伴い、人間と同様に心臓病や腎臓病が増えています。犬・猫が亡くなる原因として、心臓病や腎臓病は、ガンと共に「3大死因」の1つになっています。
心臓や腎臓は一度悪くなってしまうと治らないため、病気の早期発見により進行させないことが非常に大事になってきます。

また、初期の段階では症状が出にくい病気のため、症状が出てきたときには、すでに病気が進行していたということが多いのが現状です。
心臓病は先天性と後天性があるため、犬・猫の年齢に関わらず発症します。腎臓病はかなり進行してからでないと発見できない病気になります。そのため、当院では定期的な心臓および腎臓の検査をお勧めしています。

このような症状はありませんか?

  • □ 水をよく飲む
  • □ 食欲がない
  • □ 尿の量が多い/回数が多い
  • □ よく吐く
  • □ 痩せてきた/毛ヅヤが悪い
  • □ 元気がない

このような症状があれば、お早めにご相談ください。
飲水量の確認に関しては右図を目安に判断してください。
腎臓疾患では早期発見・早期治療が重要です。

飲水量(1日):体重1kgあたり100ml以上飲むと多い

腎臓病とは?

慢性腎臓病は7歳以上になった中高齢のネコ/イヌによく見られます。特に高齢のネコでの発症は非常に多く、気づいた時にはかなり進行しており、最も注意しなければいけない病気の一つです。

その原因は様々で、加齢、腎臓の炎症、腫瘍の他に感染症、先天的異常、尿路結石などでも起こるため若くして慢性腎臓病になる場合もあります。 腎臓には様々な機能(下図)があり慢性腎臓病では、その機能も徐々に低下して行きます。進行した腎臓病では、脱水したり、貧血や高血圧などが起こります。

腎臓の機能

腎臓病の診断

腎臓病の検査としては尿検査、血液検査がありますが、腎機能の70〜80%が失われてやっと尿異常・血液異常がでてくると言われています。できる限り早く腎臓病を発見するために定期的に検査を受けましょう。

2016年より可能になった最新の検査方法である腎臓バイオマーカーSDMAの検査では40%の腎機能低下でも発見ができるようになっています。尿検査、血液検査以外にも血圧測定やレントゲン検査、超音波検査、眼底検査、甲状腺ホルモン検査等も行い腎臓の状態を把握しておく事が必要です。

SDMA検査の特徴

腎臓病の治療について

残念ながら、失われた腎機能をとりもどすことはできません。
腎臓病と診断された場合、悪化させないことと、動物の生活レベル(QOL)の維持を主目的として治療を行っていきます。

治療の目的
病気との上手な付き合い(QOLの維持・向上)

腎臓病とうまく付き合うために

定期的な検査(約半年ごと)を受診し、腎臓病の早期発見をすることが大事です。腎臓病と診断された場合、悪化させない/進行を遅らせるようにするために、獣医師とご家族の皆さんが協力することが大切になります。

定期的な健康診断チャート

飼い主様へ

もしも『慢性腎臓病』になってしまったら、まずは日頃の排泄物(尿の量や回数、うんちの状態)をチェックするようにしましょう。また、常に水が飲めるように複数の水飲みを準備してあげたり、膀胱炎にならないように落ち着いてトイレができる環境を整える事も必要です。腎臓病用の療法食に変更したり、薬の内服や輸液療法をすることも必要な場合もあります。

腎臓病は病気がかなり進まないと症状が現れにくい病気になります。 できるだけ早期発見・早期治療を行う事で、犬・猫の生活の質が大きく異なってきます。 早期発見するために、ご自宅でしっかり飲水量などの観察してあげること、定期的な健康診断の受診を行う事が大切です!