春節を祝う会

中国では旧暦で1月30日が大晦日(除夕)で、1月31日は旧正月で春節と言われます。中国本土ではこの時期が本当の正月を祝うことになります。今回、逗子市葉山町日中友好協会主催の「春節を祝う会」のご招待があり、昨日横浜中華街の萬珍楼本店に行って来ました。

中国人の留学生を交え、春節とはどういうものかというお話や中国の詩を日本語にした詩吟があったり、皆んで故郷の唄を歌ったり、終始楽しい雰囲気の中で、美味しい中華料理をいただきました。また2月15日(土)に逗子分化プラザなぎさホールにて逗葉日中友好協会主催の「春を呼ぶ日中友好の調べ」というイベントがあります。今回は謝雪梅さんの中国古箏の演奏と馬場信子さんのお箏、そして私の家内の叔母がお世話をしている中国人のバリトン歌手・崔宗宝さんの歌があります。この崔さんは日本に来て東京藝術大学を卒業し、十数年経っており、当初より日本の里山が好きで、日本の棚田100選という朝日新聞の後援で全国の棚田のある町に行き、オペラは勿論、中国と日本の故郷の歌や民謡、童謡など身近な歌まで歌い、勿論無料ご招待でその土地の人たちを楽しませながら、住民との交流をはかっています。また昨年は鎌倉芸術館でのコンサートがありましたが、以前はサントリーホールで大成功を収めたり、大きなコンサートホールでどこも満員の盛況ぶりでした。そしてとてもびっくりしたのは今までの全てのコンサートの収益から東日本大震災の被災地の、歌手を目指している学生達の奨学金として寄付をしており、いつもご自分のコンサートに学生達を招いてオペラなどを実践させたりもしています。とても人柄の良い中国人のバリトン歌手の歌声を是非逗子分化プラザで聴いてみませんか?当院にあとわずかチケットがありますので、ご興味のある方はお早めにお申し出下さい。

私は今回春節の中華街に初めていきましたが、あれほどウィークデーに道に溢れんばかりの人が来ているのに驚いたのと、どこも派手な赤を貴重とした提灯や多くの飾り物が出ており、爆竹の音が中華街のあちこちで鳴り響き、シンバルや太鼓、銅鑼の音とともに春節を祝う中国獅子や龍が舞うあんな華やかな中華街は初めての体験でした。萬珍楼にも獅子舞がやってきて、厄除けにもみの木の葉を撒き散らしながら、鳴り物入りで登場しましたが、この獅子の口に頭を入れてもらうと良い年に成ると言うので、私もやってもらいました。獅子は地元の中華学校の学生がやっているということですが、普段から猛訓練をしていると言うだけあって、なかなか迫力のある獅子さばきでした。昨日は中華街の春節を堪能させていただいて帰宅いたしました。下の写真はそれらのスナップ写真です。

 

 

 

動物行動学のセミナー

先日2日間、延べ13時間の日本動物病院福祉協会主催の動物行動学のセミナーに出席してきました。講師はアメリカ獣医行動学専門医で現在日本獣医生命科学大学の講師をされている入交眞巳先生でしたが、ジェスチャーを交えたとても分かり易い講義でした。久しぶりの獣医行動学だったのですが、根本的なところがかなり以前とは異なっており、出席して本当に良かったと思います。

主だった内容をご紹介しましょう。

以前はあるトレーナーが立てた説でアルファシンドロームという考え方があり、「犬はオオカミの子孫」「オオカミはパックと言う群れで暮らす」「オオカミはパックのリーダーの言うことは絶対」「犬にとって人の家族はパック」「だから人間がパックのリーダーにならねばならない」とされていたため、一般的に犬はオオカミと同じだから、家族がボス(アルファー)になり犬はそれに従うようにしなければならないと言われていた。ですから「犬になめられてはダメ」「犬が家族の上に立っているから良くない」「犬のボスになれ」「犬より人が先に食事をする」「犬と一緒に寝ないこと」「散歩中に犬に引っ張られないこと」という様に言われていましたが、実はこれはどれも正しくないのです。   つまり犬は1万5千年前、家畜化されましたが、子供っぽい(幼形成熟)オオカミが家畜化されたので、本来のオオカミとは異なった犬になっているからなのです。

犬対犬の場合は、優位(強い犬の)行動と劣位(それより弱い犬の)行動により犬同士のコミュニケーション(姿勢や尾や耳の位置・顔の表情など)で解決します。ただし、4~8ヶ月齢までの離乳時期を過ごしていないとこのコミュニケーションがとれず、社会性のない犬になって、問題行動を起こすことになります。              犬と人の場合は、優位行動や劣位行動は関係ありません。そして元々犬は平和主義者ですから、いわゆるカーミングシグナル(相手を落ち着かせる行動)を示します。このシグナル(不安行動や葛藤行動)を人が良く理解することが必要ですし、そこに人が無理解でボスになるような対処をしようとすると、より問題を悪化させることにもなります。

犬の問題行動とされるほとんどが、単純なものではありません。つまり劣位行動(自信のない行動)と優位行動(自信のある行動)が同時に見られたり、これらが交互に現れたり、はっきりしない行動を見ることの方が多い訳です。

このような動物の行動を理解した上で、常同障害(強迫性障害)、別離不安症、攻撃行動等による問題行動を科学的に解明して、治療をしていくことが大切なのです。

猫の問題行動も犬と類似しているところもありますが、やはり本来の猫の行動や習性を理解することで、ほとんどが解決できることが分かってきました。

動物の問題行動の対処法(行動修正法)に良く行われる拮抗条件づけや系統的脱感作法などがあります。

そして様々な問題行動の治療の1つとして薬物療法がありますが、動物に安全に使える抗うつ剤や抗不安剤がありますので、単独または併用して上手く使うことで短期または長期のコントロールができる様になってきました。またこれらの薬剤は認知症(痴呆症)にも応用できますが、脳の血液循環をよくする薬剤や脳神経細胞や伝達物質の改善を図る薬剤などと併用することで、かなり改善することがわかってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人生はワンチャンス!・人生はニャンとかなる!

本屋さんで立ち読みして見つけた面白い本をご紹介します。上のタイトルにある2冊の本です。ユーモラスな写真を見て思わず顔がほころび、裏のページにある歴史上の偉人などのエピソードや言葉や名言が記載されているので、楽しく読めてためになる本だと思います。現在病院の待合室に置いてありますので、ご覧になってみてください。

海外で活躍する当院のOB

毎年お正月に楽しみにしているのですが、当院で十数年前まで勤務獣医師として働いていた(旧性:太田)珠里先生と鈴木先生から、それぞれグリーティングレターとメールが届きました。二人共現在アメリカに在住しており、珠里先生はMidwest Veterinary Referral Center という動物の専門医病院で眼科専門医として臨床家として活躍していますし、鈴木先生はオレゴン州立大学の大学院で海鳥の調査研究をしており、3年ぶりに日本でお正月を過ごし、3日から山階鳥類研究所が行っているアホウドリ保全プロジェクトのお手伝いで、2週間半ほど小笠原諸島に行ってくるそうです。お二人とも当院で数年間 勤務してからアメリカに渡り、珠里先生は大学病院のレジデントをしてから眼科専門医の資格を取り、専門医として勤務しています。また鈴木先生は元々エキゾチックアニマルの中でも鳥類が好きで、あちらの大学院に入って鳥類の研究を続け、これからは日本とアメリカの2国間を行き来する海鳥の 保全の仕事をしたいそうです。現在二人ともご自分の好きな道を進まれ、充実した毎日を過ごしておられるようですが、ここまで来られるのには相当な努力があったのではないかとお察しています。これからも更なる夢を持ち続け健康でお幸せになられるようお祈りするばかりです。

あけましておめでとうございます。

今年のお正月は皆さんどのようにお過ごしだったでしょうか?この辺りは元旦は風が強かったですが天気に恵まれ、三ヶ日は初詣に行かれた方も多いのではないでしょうか。病院は毎年のことですが、継続の治療で通われている患者さんも毎日数件ありますし、入院加療中の患者さんもいます。また旅行などでお預かりの動物もいますので、病院内ではスタッフがいつも通りの動物達のお世話をしております。また必ずと言ってよいほど急患があります。今年は吐いたり、下痢をしたりする子が多かったように感じます。お正月は美味しいものが多いかもしれませんが、ペットへのオヤツや間食には充分気をつけてください。

今年も皆様の大切な家族である動物達の健康と幸せのために最善を尽くしていきますので何卒よろしくお願いいたします。

 

今年の忘年会

今年も忘年会シーズン到来で、昨日の獣医師会の忘年会に続き、今日(22日)は当院の忘年会だったため、前日の食べ過ぎ飲み過ぎで、少々胃が心配でしたが、そんな心配も何のその、結果的に全て完食してしまいました。今回はうちの患者さん(ワンちゃんネコちゃん)の飼い主の方が経営されているイタリアンレストランの”イルノンノ”というお店で行われましたが、お店のサービスでいただいたモエのシャンパンで乾杯した後、新鮮な鎌倉野菜を使ったお料理や、旬のお魚やとてもやわらかく仕上がったお肉料理など、どれも味付けがとても美味しいものばかりでしたし、もちろん定番のピザやパスタも感動ものでした。一通りのコースが終わる頃、いつものプレゼント交換会があり、意外なものや日常に役立つ物などそれぞれが嬉しくなるようなプレゼントをいただきました。その後、うちのスタッフとお店のオーナーの計らいで、サプライズの私のバースデーのお祝いをしてくれました。イチゴとオレンジがふんだんに使われているバースデーケーキとおしゃれなニナリッチのマフラーのプレゼントです。(スタッフの皆んなへ:忙しい中をセンスの良いプレゼントを本当にありがとう)もう一人12月にバースデーのスタッフがいましたので、一緒にケーキのローソクを吹き消したあと、みんなで美味しく最後のデザートを頂きました。楽しいと時間の過ぎるのも早く予定時間を大幅に過ぎてしまい、2次会に行くには遅すぎてしまったので、そこから解散と言うことになり、それぞれが身も心も温まって帰宅の途に付きました。

 

究極の腫瘍内科学セミナー(近い将来の新しいがん治療法)

11月29日から12月1日の3日間、延べ18時間の「究極の腫瘍内科学」というタイトルの国際セミナーに出席してきた。講師はワシントンDCにある4軒の動物病院で診療をする臨床家であり、アメリカ国立ガン研究所付属施設の上級研究員でもあるチャンド・カーナ先生です。

講義の内容の概略を以下にご説明させて頂きます。

今までのがん治療はQOLを良くする目的のための治療であった。また細胞毒性のある化学療法を人で使っていたものを動物にも応用していた。しかも人と同様の反応があったにもかかわらず、完治には至っていない。また人では化学療法を強化して副作用が出ても、骨髄移植などの対処法があるが、動物ではこれが簡単にはできない。そのため副作用の出ないようにする使用や費用を抑えるなどの制限要素があったため、そこまでしかできなかった。そこでこれからは「がん」の治療目的や考え方を変えて、その”がん”の生存率(治癒率)を主目的に考えた治療をしていくことで、長期生存の可能性を期待した治療をしていくようにして行こうというもの。

「がん」の原発巣は今までのように外科手術/化学療法(但し低用量使用のメトロノーム療法の応用)の単独か併用、それに放射線療法の+/-が主体になるが、その「がん」が転移を起こした場合、あるいは転移の可能性のある微小転移巣(顕微鏡的転移)のあるものに効果のある安全性の高い薬剤がこれから近い将来、次々に現れてくるでしょう。これらの薬剤には免疫療法薬、血管新生抑制剤、低分子化合物、シグナル伝達阻害薬などがあり、アメリカでは数ヶ月単位で新しい薬剤が商品化する傾向があるそうだ。近い将来これらの治療のターゲットのはっきりした薬剤は副作用の心配のないものですし、今までの低用量メトロノーム化学療法に加えることで、生存率(治癒率)が上昇していくことになるでしょう。

今回のセミナーでは近い将来沢山出現してくる薬剤の選択と使用が出来るようになるために必要な、がんの生物学、免疫学、分子病理学、遺伝子発現様式や変異、それらの機序、そして現在応用している新しい薬剤の使用法などを勉強した。

日本で現在使用できる薬剤もいくつかあり、海外から個人輸入できるものもありそうなので、当院でも早速調べて応用して行くつもりですので、ご期待下さい。

中学生の職場体験と校内職場インタビュー

毎年行なわれている中学生の職場体験を今年も受け入れることになり、先週と今週に逗子の久木中学校と葉山中学校のそれぞれ2年生が職場体験学習を行なった。また葉山中学校では毎年、校内職場インタビューを行なっているが、今年は7つの事業所が協力することになった。各クラスから代表者がインタビュー形式で質問し、これに我々が答えることになる。約40分のインタビューだったが、最後まで皆まじめに、そして熱心に聞いてもらえ、将来何かに役立ってくれることを期待して終了した。

写真①:職場体験中の学生

写真②:校内職場インタビューの風景

 

 

 

1人の男と19歳の老犬の写真が物語る感動的な1枚

ネットでこんな写真を見つけました。是非多くの方に見て頂きたくて、秒間SUNDAYより引用させていただきました。このワンちゃんの表情が全てを物語っているようです。

全米が泣いた!たった一枚の写真が物語るある男と老犬の友情

湖の中に長髪の男と老犬の姿。静かな水面に身を委ね、目を閉じている犬の表情は 主人への愛 強い信頼が満ちあふれている。この犬、スコップは19歳、人間では 約96歳相当。重度の関節炎に悩まされ 痛みから普段は睡眠も充分にとれていない状態。そんなスコップの為に主人のジョンは毎晩 自宅から1.5キロ離れたこの湖に通い時間が許す限り抱えて一緒に湖の中へ。
こうしてスコップは浮力で関節炎の痛みから開放され ようやく短い睡眠をとる。19年という長い時間を共有してきた2人(1人と一匹)にも持ちつ持たれつ様々な歴史があった。実はこのスコップ 子犬のとき元飼い主に虐待され 生後8ヶ月でジョンと当時のフィアンセに出会い引き取られる。
人間への不信から閉ざされてしまったスコップの心をジョンは1年かけてほぐしていく。ジョンがそのフィアンセと別れ 鬱になった時は スコップが彼を助けてくれた。「なんて説明していいのか解らないんだけど・・・あの時スコップが僕に”目を覚ませ しっかりしろ!”って言ってくれたような気がしたんだ・・・・」 楽しい時も悲しい時も辛い時も、いつも一緒の2人。

・これが本物の愛ってやつだ。                     ・世界に共通する愛だ                         ・この一枚には人間と犬との 平和 絆 友情 全てが詰め込まれてる。

と大絶賛。 このことがきっかけで スコップのレーザー手術の寄付金も集った。スコップが家で痛み無しで眠れるのも、もう少しかもしれない。

葉山町総合防災訓練・消防防災フェアに参加して

11月9日9:30~13:00葉山小学校校庭と消防署裏の駐車場スペースで葉山町総合防災訓練・消防防災フェアが行なわれた。私の所属している湘南獣医師会もこのイベントに参加し、ペット同伴避難者対応訓練を実施した。

実際の地震災害時にはまず自分の身を守ることが、第一優先になります。緊急時に余裕のない場合はペットを逃がさなければならないこともあります。またペットを連れて避難所に行っても災害の規模によってはペットの収容施設(動物救護所・ボランティア)が3日~7日後になる可能性があります。今回はその収容施設が出来てからの手続きや収容のシュミレーションを体験して頂いたことになります。

本日のペット同伴避難者対応訓練のスナップ写真をご覧ください。

写真①:収容テント周辺での全体の様子。写真②:動物避難所の受付で飼い主名とペット名などの登録手続きをしているところ。写真③④:収容テント内のワンちゃん達。   写真⑤:ワンちゃんを非難テントに預けている間に神奈川獣医師会被災動物救護の専門家によるミニセミナーを受けているところ。写真⑥:仮設の避難所のケージから引き取って、避難訓練の終了です。お疲れ様でした。

写真①

写真②

写真③

写真④

写真⑤

写真⑥

飼い主と愛犬のための防災10か条                     1 発災時は先ず飼い主自身の身を守る                                    2 鑑札、注射済票、連絡先を書いた名札を付ける                          3 マイクロチップを装着                             4 社会性を身につけた犬に育てる                          5 飼い主と犬の健康管理                             6 防災用品を準備する                                 7 近所の犬仲間を作る                              8 被災後、犬の預け先を決めておく                         9 避難所では飼い主同士、助け合って 管理し、周りに迷惑をかけない         10 飼い主の心の準備

飼い主と愛猫のための防災10か条                                                 1 発災時は先ず飼い主自身の身を守る                                                                                   2連絡先を書いた名札を付ける                                                                                                      3 マイクロチップを装着                                                                                                               4 捕まらない時は猫の逃げ口を作っておく                     5 外から見えるところに猫がいることを表示する                  6 防災用品を準備する                                7 飼い主と猫の健康管理                             8 被災後、猫の預け先を決めておく                        9 避難所では猫を外に出さないなど 周りに迷惑をかけないよう管理する        10 飼い主の心の準備