月別アーカイブ: 11月 2012

ボストンテリアの後肢指間部の悪性巨細胞腫瘍

       上の写真は指間部に出来た腫瘤を示している。針生検による細胞診を行なった結果は非上皮性悪性腫瘍を疑ったため、本来は大きく拡大切除をするべきですが、それには断脚をすることになるため、飼い主様とのお話し合いで切除バイオプシーと言うことになった。         左写真は摘出した腫瘤、右は手術後の写真。病理組織検査の結果は悪性巨細胞腫瘍。巨細胞腫瘍は両性と悪性があり、動物では軟部組織や腱で発生するとされているが、以前は発生の由来が確定されていない腫瘍とされていたが、組織球由来の可能性が示唆されるようになり、悪性巨細胞腫瘍は組織球肉腫に相当する可能性が高い。つまり今後は他の部位の皮膚や内臓臓器に同様の腫瘤が発生する可能性もあるということです。      

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脾臓の血管肉腫から腹腔内に大量出血をしていた犬

            中年の大型犬が急に元気がなくなったということで来院。血液検査で貧血があり、腹腔内に液体貯留、レントゲンとエコー検査で脾臓の腫瘤の存在を確認。腹腔内の出血を穿刺にて確認したため、すぐに手術の準備をし、脾臓全摘出手術を実施。左写真は開腹してすぐに腹腔内に出血していた血液を回収しているところ、右の写真は脾臓と脾頭部にできた腫瘤(ここから出血していた)を創外に露出させているところ。           左写真は腹腔内より回収した血液で2リットル以上あったが、自家血輸血として血管内に戻してあげた。右写真は摘出した脾臓とその腫瘤および血餅。その後の病理組織検査の結果は脾臓の血管肉腫で大網にもすでに転移があった。また肝臓にも肉眼的に小腫瘤が散在(転移)していることが分かっている。術後の回復は順調で、現在は全く元通りの元気な状態になっている。 飼い主の方は化学療法や免疫療法、インターフェロン療法、βーグルカン、サプリメント、その他の自然療法などを希望されていますので、これらを駆使して治療を進めていく予定だ。  

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ヨークシャーテリアの後肢(脛骨腓骨)の複雑骨折の修復

            リウマチ性関節炎でステロイドで長期治療していたヨークシャーテリアが40~50cmの高さからコンクリートの床に落ちて後肢の脛骨の複雑骨折をしてしまいました。特殊なプレートとロッキングネイルを使用した骨折の修復術で何とか正常に近い位置に修復できました。ただしステロイドを長期投与していた為、治癒がかなり遅延することと、骨折片が小さすぎてすべて骨ネジで止めることは不可能だったことから、骨の癒合がかなり遅延することが想定される為、術後の安静や突発的な強い衝撃を与えないよう充分な注意が必要です。    

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急性リンパ球性白血病の犬

         7歳のスタンダードプードルが突然の右側鼻孔からの鼻出血で来院。血液検査では血小板6000(正常300000)、総白血球数231880(正常12000)、内リンパ球(左及び中央写真・ほとんどがペルオキシダーゼ染色及びエステラーゼ染色が陰性のリンパ芽球 )223300(正常3000)、クロナリティー検査はTリンパ球 のモノクロナールな増殖、骨髄検査(右写真)では骨髄内全体にリンパ芽球が占めている。 治療は播種性血管内凝固症候群か免疫介在性血小板減少症の可能性があったので、低分子へパリンとステロイドホルモンの治療に入った。翌日ビンクリスチンという抗癌剤の治療を開始、体表に紫斑、メレナの排便、吐血等の症状が出現したため輸血を実施。ビンクリスチン投与2日後には白血球数が減少し、8日目には正常値となり、出血傾向はなくなったが、貧血が進行してきたため、再度輸血。その後もCOPで治療を継続していったが、一般状態は改善し、貧血も改善して行った。1ヶ月後に両眼球内の前房に腫瘤を確認、ステロイドの減量をしていたが、再度増量し投与して頂いたところ、次第に前房内の腫瘤も急激に縮小して行った。現在初診から2ヶ月になるが、食欲はほぼいつもと変わらなくなってきているし、体重が減少してきているものの、元気はあって飼い主の方も満足していただいている。しかも血液検査の結果はステロイドの影響で肝酵素がやや高いくらいで、総白血球数やリンパ球の異常はほとんど無くなっている。 犬のリンパ球性白血病はそれ自体発生頻度はごく少ないものですが、当院では今回の症例を含めてこの2ヶ月間で4症例を経験している。しかもそれぞれの病期が異なっており、リンパ腫から慢性リンパ球性白血病に移行したものや慢性リンパ球性白血病が急性リンパ球性白血病に移行する時期だったり、白血病が原因した自己免疫性溶血性貧血やDIC(播種性血管内凝固症候群)を伴ったものなど、様々な状態のリンパ球性白血病でした。そしてまだどの子も治療により普段と同じような生活ができている。        

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脾臓のマス(塊)病変のあった犬2例

  1例目は8歳のゴールデンレトリーバーで原因不明の体重減少があったため、健康診断を兼ねて検査をしたところ、血液検査で肝酵素の上昇があり、X線検査をしたところ、中腹部にマスがあり、エコー検査の結果、それが脾臓の腫瘤であることが分かった。後日手術により脾臓摘出、病理組織検査の結果は脾臓の結節性過形成(非腫瘍性病変)。     2例目は13歳のウエルシュコーギーで朝から急に元気食欲がなくなり、夕方から横になって動かないという主訴で来院した。検査結果は貧血、白血球上昇、X線検査とエコー検査で腹部マス(脾臓)2ヶ所が認められ、腹腔内に出血があることが確認された。     すぐに緊急手術を実施、腫瘤のある脾臓の全摘出と腹腔内に出血していた血液を800cc程回収し、自己血輸血を行なった。術後は回復も早く2日後に退院し、現在も元気にしている。     病理組織検査の結果、肝臓のマスは肝細胞のグリコーゲン貯留と脂肪蓄積、脾臓のマスは過形成でした。 2例とも脾臓の結節性過形成という非腫瘍性病変でしたが、1例目は無症状、2例目は脾臓の過形成からの腹腔内の出血で貧血になり、動けない状態で来院している。ですから脾臓の腫瘤が見つかったら、できるだけ早い時期に手術による摘出を実施することをお奨めいたします。    

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