月別アーカイブ: 5月 2013

交通事故で分かった大きな2つの腫瘍

高齢犬が交通事故に遭って骨盤の複雑骨折を起こしてしまった。全身の身体検査検査と完全血球検査、血液生化学検査、尿検査、さらにレントゲン検査、エコー検査をした結果、慢性僧帽弁閉鎖不全と車の衝突によると思われる肝障害、筋肉の損傷、血尿、骨盤の5ヵ所以上の複雑骨折が分かったが、更に肺の後葉の大きな腫瘍を疑う腫瘤と左腎の腫瘍化が見られた。15歳にもなる高齢犬なので 飼い主の方は骨折や腫瘍の手術を望まず、外傷による障害の内科療法を希望された。完全な疼痛管理と輸液療法を主体にした治療により、元気食欲が戻り、起立はできませんが、前足で移動することも出来るようになったので、1週間程で退院となった。今回の交通事故はこの子にとって不幸な出来事でしたが、事故に遭わなければ、これらの腫瘍の発見がなかったということですから、これからの余生をどのように有効に暮らしていくかを前向きに考えてあげてほしいと思います。        上の左の写真は骨盤の複雑骨折、右は肺の後葉に出来た腫瘤      上の左のレントゲン写真は大きく歪な左腎を示している。右は左腎のエコー検査の写真で本来の腎臓の形体と構造が失われている。    

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犬の重度な会陰ヘルニアの整復手術

他院にかかっていた方がお知り合いの紹介で当院に受診してきた。7歳の犬で排尿や排便に異常があり、腫れているお尻の方を触れるだけでも痛がって怒るという主訴である。肛門の左右に大きな膨らみがあり、右は直腸憩室という広がった腸になって、そこに糞塊が溜まった状態、左は膀胱が会陰部から外に逸脱しており、排尿もうまくいかない状態でした。排尿障害は一ヶ月も前から症状があったという。またかなり前から排便が苦しそうで、飼い主が手で溜まった糞塊を圧迫して出していた。他院の獣医師は手術をしてもすぐ再発してしまうから、やらない方が良いという説明だったという。確かに再発する可能性はないとはいえないが、ここまで重度になることが予想されるような会陰部の広い開口部があり、排尿排便に苦しんでいる場合は手術以外に選択肢はないだろう。またこのように重度の場合は結腸固定術と精管および前立腺の固定術も併用し、さらに会陰部のヘルニア輪があまりにも広いので、当然内閉鎖筋の転位術も併用する必要がある。           左の黒いガス像が直腸憩室、右の造影剤で白く丸く見える部分が膀胱     白く丸く見えるのが逸脱した膀胱     術前の肛門と会陰部の状態     結腸の腹壁固定、精管と前立腺の腹壁固定を示す       術後の様子    

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高齢犬の前立腺炎

10歳の高齢犬が高熱と元気食欲がないということで来院。血液検査では白血球の激しい上昇、炎症マーカーであるCRPが二桁の上昇、肝酵素の上昇などがあった。尿検査では潜血反応があり、変性した好中球が一面に存在し、細菌尿になっていた。レントゲン(上段の写真)では腹腔内のスリガラス状の陰影があり、腹膜炎を疑わせた。エコー検査(中段の写真)で確認したところ前立腺肥大と嚢胞状の液体貯留が多く認められた。静脈点滴による輸液と抗生剤を主体とした治療後、手術を実施。腹腔内は血様の膿が溜まっており、サクションで吸引後前立腺の嚢胞部分(下段の写真)から液体を吸引し、腫大していた前立腺は内部が化膿していたため、内側の化膿壊死部をくりぬいて切除した。腹腔内は3リットル以上の生理食塩液で洗浄した後、閉腹し、最後に去勢手術を実施した。切除した前立腺組織の病理組織検査の結果は前立腺の化膿性炎症と前立腺嚢胞だった。前立腺の肥大は去勢手術によって、予防あるいは治療ができます。若いうちに去勢手術をすることで、前立腺肥大が予防できると同時に以下のような行動学的異常を回避できます。       雄犬(テストステロンの影響)   徘徊(他人への迷惑,交通事故)   他の犬への攻撃性(発情中雌犬がいる場合)   性的不満足(人,どうぶつへのマウンティング)   恋煩い(食欲不振,体重減少,落ち着きのなさ)  雄猫(テストステロンの影響)   遠方まで行って帰らない   他の雄猫との喧嘩   鳴き声   スプレー                   

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