月別アーカイブ: 10月 2013

トイプードルの開放性の大腿骨複雑骨折

1歳弱のトイプードルが3階のマンションから落下し、救急で運び込まれた。来院時はまったく起立できず、腰砕けの状態だった。粘膜再充満時間(CRP)は2秒以上あり、ショック状態だったので、まずは静脈を確保して輸液を開始、同時にルーチンの血液検査とレントゲン検査を行なった。結果は幸いにも胸部には損傷が無く、腹部は恐らく落下時の衝撃で肝臓にダメージがあったと考えられる肝酵素(ALTとAST)の中等度の上昇があった。左の大腿部外側の皮膚には穿孔したと思われる穴が2ヶ所(写真①)あり、骨折端の位置と一致していることと、X線写真の筋肉内に複数の空胞が存在する(写真②)ことから、大腿骨の開放性の複雑骨折であることが分かった。開放性骨折の手術はステンレスのピンとバーを用いた外固定が理想的だが、この犬種は活発に動くタイプなのと、飼い主のお住まいが遠距離なので、頻回の外用処置のための通院が難しいということもあり、特殊なプレートと螺子による手術をすることになった。(写真③は術中・写真④は骨折整復後のX線写真) 写真①        写真② 写真③        写真④

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保護犬の前肢の断脚

まだ2~3歳の若い雑種犬がKDPに保護された時から、右の前肢の肢端部が欠損しており、著しい跛行があった。おそらく交通事故に遭って先端が切断されたか、喧嘩傷が化膿して欠損してしまったのか、原因は分からないが、未だに先端の残った組織の化膿と壊死があった(写真①②)。この状態では全身性に感染症を起こす可能性と常に疼痛を伴っていることから、感染を充分コントロールした後、外用処置を続けて肉芽組織があがったら、手術をすることをお勧めした。しかし施設内でのきめ細かな面倒がみられないということがあり、肉球の移植を含む修復手術は実際不可能と判断し、やむなく断脚手術を選択した。(術後の写真③)。手術後は元々長期間の跛行があったせいか、退院時には走れるようになっていましたし、抜糸で来院したとき(写真④⑤)には何の違和感も無く、歩いたり走ったりしていた。元気も以前より出てきたそうですし、あとはどなたか里親さんが決まってくれると良いのですが。 写真①② 写真③ 写真④⑤          

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シーズーの右前肢にできた悪性神経鞘腫

13歳のシーズーが半年以上前から出来ていた腫瘍が次第に大きくなり、直径5cm位になってきた。しかも頂点が破れて出血してきたという主訴で来院した。他院では年なので危険だから手術は無理だといわれていた。健康診断をした結果、血液検査では総白血球が中等度上昇、特に単球が多いので腫瘍の化膿性炎症から来ていると考えられた。また肝臓の酵素(ALTとAST)が軽度の上昇が見られた。心臓はリバイン(Levine)の評価で左側僧帽弁領域で4/6と中等度の心雑音はあったが、当院の循環器専門担当の、滝沢獣医師が心臓の機能を検査した結果、麻酔のリスクはごく少ないことがわかり、手術を実施することになった。写真は術前と術後および摘出した腫瘍です。 病理組織検査結果は悪性神経鞘腫であった。この腫瘍は遠隔転移はほとんどありませんが、局所再発があり得る為、今後の定期的な診察などが必要となります。                

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猫の原因不明の尿道および尿道膀胱支配血管の断裂

年齢1歳の若い猫さんが2日間外出して帰ってきたら、元気食欲が無く、ぐったりしているといということで来院。触診で膀胱は重度の膨満(写真①)、血液ルーチン検査では白血球のかなりの上昇と尿素窒素とクレアチニン、リンが異常な高値を示し、腎不全になっていることが分かった。レントゲン検査ではやはり膀胱の膨満と腹水の貯留が疑われた(写真②)。尿閉がありそうなので、尿道カテーテルを挿入したところ、血様の液体が抜けてきた。しかし液体を20cc程吸引しても膀胱のサイズは縮小しなかった。そこでカテーテルを挿入したままX線検査をしてみたら、カテーテルが尿道の途中あたりから腹腔内に逸脱していた(写真③)。つまり腹腔内に貯留していた液体をカテーテルから吸引していたことになる。この状態では益々腎不全が進行し、尿毒症になって回復の見込みが無くなってしまうので、飼い主さんとのお話し合いで、状況把握のための試験開腹も兼ねて緊急手術(輸血準備下で)をすることになった。術中の写真が④と⑤だが、腹腔内には薄い血液様の液体(尿臭あり)が溜まっており、写真にあるように膨満した膀胱が黒く変色しており、血行がなくなっている感じがした。実際中を探査してみたら尿道の断裂と血管の断裂が見つかり、結局膀胱は血行が遮断されたため、壊死をしてしまっている状態だった(写真⑥)。何らかの外力によって起きたものだと考えざるを得ないが、腹部の体表には何ら外傷らしいものは無く、交通事故の証拠も無いので、原因は分からない。これは手術による回復は見込めないため、飼い主さんと相談の結果、麻酔のかかっている状態で安楽死になった。 病理組織検査の結果は「膀胱の全層性出血壊死」:外傷などによる急性の出血壊死の可能性が考えられるとのコメント。   写真①   写真② 写真③ 写真④⑤ 写真⑥                                                               … 続きを読む

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