月別アーカイブ: 12月 2016

雑種犬の手根関節の関節炎による変形・亜脱臼の整復手術

雑種の老犬が最近次第に痛そうになり、跛行を呈するようになってきたという事で来院した。レントゲンで手根関節が靱帯の損傷を伴って、慢性の関節炎と脱臼を伴い、異常な関節の腫大と変位が見られた。このような重度の靱帯損傷による関節炎を伴う脱臼は関節固定術が適応となる。今回DCPと螺子による関節固定と関節内の海綿骨移植により手根関節の固定手術を実施した。写真はX線写真の術前術後と手術経過を順に示す。    

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若齢の雑種犬の腸重積

2歳の雑種犬が慢性の下痢の後、食欲廃絶、嘔吐があったため、検査をしたところ、エコー検査で典型的な小腸の重積を示唆する画像が認められた。手術により修復して元の状態に戻したところ、あまり時間が経っていなかったので腸管の色も悪くなく、血行障害は軽度だったため、すぐに閉腹して終了した。静脈点滴と食事療法を5日程続けることで食欲ももどり、症状も安定したため退院していただいた。腸重積の特徴的なエコー画像と術中の写真を下に示す。

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猫の血球貪食性組織球肉腫

7歳の雄の日本猫が1週間くらい前から食欲がなく、嘔吐があるという事で他院にて受診し内服薬で治療を受けたが、芳しくなかったため当院に転院。来院時は食欲元気なく、嘔吐、発熱があった。血液検査で、ヘマトクリット12.6%(再生像あり)白血球はストレスパターン以外は異常なし。血液化学検査では総ビリルビンが高く、黄疸があった。赤血球の寄生虫のベクター検査はすべて陰性。クームステスト(-)。X線検査では脾臓のマス様病変が認められ、エコー検査によりそれが確認されたため、ニードルバイオプシーをしたところ、細胞診の結果は赤血球やリンパ球を貪食している類円形から多形性の大型細胞が多数みられ、核の異常として複数核や奇数核をもったいわゆる多核巨細胞が多く認められた。貧血が重度なため輸血をしたが、翌日ヘマトクリット22%だったものが2日目には17%になり、二度目の輸血を実施。免疫介在性溶血性貧血による黄疸とも考えられたため、ガンマーガードによる治療もしたが、更に貧血をしてきたので、三度目の輸血も行った。そこで脾臓摘出手術を行い、その病理組織検査を行ったところ、赤血球貪食性組織球肉腫という診断が出た。この腫瘍はかなり悪性度が高く、転移性も高いので、厳重な経過観察が必要。またこの腫瘍は猫では非常に珍しい腫瘍で症例発表や治験例がごく少ないため、今後の治療が難しいが、4回目の輸血が終わった後、とりあえずは脾摘後1週間のところで、ステロイドの使用開始。ロムスチンの併用についてのご説明もさせて頂きましたが、それをやっても生存期間が107日という報告があったため、それ以上の治療は希望されず、5回目の輸血後、自宅で看取ることを選択された。 腹部のX線写真(脾臓のマスの確認) 脾臓のエコー検査(大小のマス病変) 摘出手術中の脾臓            

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