月別アーカイブ: 2月 2013

15歳の猫の消化器型リンパ腫が原因の腸重積

 15歳の猫が嘔吐、食欲廃絶で来院。レントゲン検査で胃腸管のニボーラインとエコー検査の腸管の重積している画像(下の二枚の写真)から腸重積と診断、すぐに手術となった。2段目の写真は開腹して腸重積のおきている部分を示している。その下の写真は重積を整復したら、入り込んでいた腸管の一部が硬化した部分(腸管壁の肥厚)とその下の写真はその部分の切開した断面を示し、壁の肥厚と変色している様子。病理組織検査の結果は消化器型リンパ腫で、これが原因でおきた腸重積だった。付属リンパ節の腫大があったため術後の抜糸が終ってから、化学療法を実施している。                 

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フラットコーテッド・レトリーバーの組織球性肉腫

数ヶ月前から前足の軽い跛行が見られたが、最近になって体が揺れるような跛行になってきたという主訴で来院。前肢上腕内側が腫大していたため、針生検にて細胞診をしたところ、悪性の肉腫が疑われる細胞の極端な大小不同や明らかな核の悪性所見がみられた。また体表の数ヶ所に小腫瘤が散見されたため、2ヶ所の腫瘤についても細胞診を行なったところ、これらも同様の所見が得られた。フラットコーテッドと言う犬種からして、組織球性肉腫が疑われたため、前肢内側の10cm程の腫瘤とその近くにあった約1cmの腫瘤と腰部に近いところの皮下の腫瘤を減容積の意味も含めて切除バイオプシーをする事にした。病理組織検査の結果は組織球性肉腫でした。文献を見ると外科手術+化学療法を実施したフラットコーテッド37例の研究では中央生存期間123日間、緩和治療のみでは17日間と言う結果である。そこで今回の症例は外科手術と化学療法剤(ロムスチン)の治療を選択した。現在化学療法を実施しているが、ロムスチンの副作用として起こる可能性のある白血球減少や肝障害は現在のところ無く、一般状態は良好である。写真は前肢上腕内側に見られた腫瘤(筋層と筋層の間に存在)の切除した際の術前所見(上段左)と切開切除中(上段右)、摘出した複数の腫瘍塊(中段左)、術後(中段右)そして体表の他の部位にあった腫瘤の切除した組織(下段)  

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メインクーンの頚部気管のリンパ腫

13歳のメインクーンが1~2週間前から鼻がグズグズ音がしたり、ゼーゼーするようになってきたという主訴で来院。かなりの吸気性の努力呼吸による呼吸困難でしたので、すぐにICUの高濃度酸素室に入れて安定化したところで、血液検査およびレントゲンを撮った。結果、糖尿病と中等度の胆管肝炎があったが、X線検査で頚部気管の重度の狭窄がみられたため、できるだけ早期にステント等で気管を広げる処置をする必要があった。そこでジャーメック(日本高度動物医療センター)をご紹介した。入院から4日後、酸素ボンベ持参で移動中も酸素を吸入した状態でジャーメックに行っていただき、ステントの装着を実施。細胞診により節外性ハイグレードタイプのリンパ腫という診断結果が出た。リンパ腫は体のあらゆるところに発生する可能性がありますが、頚部気管に発生するタイプは珍しい。退院後は肝疾患の治療と糖尿病のインシュリン治療とリンパ腫の化学療法を実施、現在も継続治療をしているが、一般状態はきわめて良く、初診から約2ヶ月になるが、腫瘍は全く消失しており、呼吸は正常、糖尿もコントロールできており、胆管肝炎も治癒している。 下の写真は初診時の頚部の狭窄部とステントを入れた後のレントゲン写真    

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ゴールデンレトリーバーの線状異物による嘔吐・食欲廃絶

11歳のゴールデンレトリーバーがいつの間にか飼い主の知らないうちに、綿の厚手の布製品を呑み込んでいて、その布が一部ほずれていて、胃から小腸までその糸によりたぐられて、布自体が小腸に閉塞を起こしていた。下の左の写真は超音波検査により、たぐられた腸とその中心に高エコー(白いライン)がみられ、右のレントゲン写真では線状異物に特徴的なガス像が見られた。         この子は開腹手術により胃切開と、小腸を3ヶ所切開し、異物を摘出したが、小腸全体に粘膜下織までの損傷があり、術後の腹膜炎等が懸念されたが、経過は順調で6日目に元気に退院した。開腹時、脾臓に2.5cm程の円形の腫瘤(右の写真)が認められたため、脾臓摘出も実施したが、病理組織検査の結果は脾臓の結節性過形成というもので、腫瘍ではなく組織の一部が過形成をおこしているだけなので、切除をすれば問題ないというものでした。      

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