月別アーカイブ: 1月 2016

ゴールデンレトリーバーの皮膚形質細胞腫

高齢のG・レトリーバーの指間の皮膚腫瘤が1か月くらいで大きくなってきたという主訴で来院。細胞診をしたところ円形の独立した腫瘍細胞が多く見られた。一見、組織球種のような円形の細胞で核も円形であったが、よく見ると細胞が楕円形のものが多く核のクロマチン結節の構造がリンパ球のようにも見えるものが多かった。また核の悪性所見は少なく、核分裂像もほとんどないので、悪性の腫瘍ではなさそうだった。指間部ということで拡大手術はできないため、最小限の摘出手術になった。病理組織検査の結果は皮膚形質細胞腫だった。皮膚形質細胞腫は髄外性形質細胞の一つで通常は良性だが、他に例えば孤立性骨形質細胞腫のようなものがあってそれが皮膚にできたりということもあるので、要注意ではある。  

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猫の皮膚肥満細胞腫の切除

最近急に大きくなってきたという高齢猫の皮膚腫瘤を細胞診(FNA)した結果、肥満細胞腫であることが分かった。猫は比較的良性タイプのものが多いが、表面に潰瘍があり、直径2センチ大で増大傾向があるため、万一悪性だったことを考え、周囲2センチ以上のマージンをとり、深さ方向にも筋膜と皮筋も切除することにした。幸いなことにリンパ節腫大や脾臓や肝臓などの腹部臓器には腫瘤病変はなく、胸部にも異常がなかった。術前と術中、術後の写真を下に示す。                                    

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上皮系悪性腫瘍による猫の胸水の2例

いずれも①12歳と②13歳の高齢の猫で呼吸促拍、元気食欲なしまたは低下という症状で来院。2頭ともX線検査で胸水の貯留があった。 ①の猫さんは血液検査で慢性腎不全になっていたが、腹部X線検査と超音波検査で右腎の萎縮と腎盂内の結石の存在と左腎の肥大と形の不正・腎臓内の構造の異常などから腎臓の腫瘍を疑い、左腎の針生検を実施したところ、採取できた細胞から上皮系の悪性腫瘍が疑われた。また胸水の性状は比重や有核細胞数から変性性漏出液であり、沈査の細胞診で、やはり上皮系の悪性腫瘍の疑いが濃厚であった。この猫さんは胸水の抜去により呼吸がある程度改善したが、腎不全も存在していたこともあり、状態は余り良くなかった。しかも1週間もたたないうちにレントゲン上で肺の病変がかなり悪化。そこで少しでもストレスのない自宅で一緒に過ごす時間を増やしていただくため、業者さんに酸素ボックスと酸素発生器のレンタルをすることになった。それから約一週間後くらいに呼吸困難になり、自宅に往診で伺ったが、その場で自然に近い状態で亡くなった。恐らく肺の腫瘍と腎腫瘍との関連性がありそうだった。 上の写真(右が来院時・左がその1週間後の胸部)下の写真(左右の腎臓のサイズと形状の違い・抜去した胸水) ②の猫さんは食欲の低下はあったが、少しずつは食べていたそうだ。但し、胸腔内の液体貯留が大変多く、その抜去した胸水は変性性漏出液でこの液の沈査による細胞診ではかなり悪性度のある上皮系の腺癌のようだった。肺実質にすでに上皮系悪性腫瘍が存在し、抗がん剤などの化学療法は難しい状況だった。そこで腫瘍に少しでも抑制効果のある非ステロイド性抗炎症剤(NSAID’s)とβ-グルカンの豊富に含まれたサプリメント、そしてホメオパシーを応用したドイツの歴史あるホモトキシコロジー療法により、2回胸水を抜いただけでその後次第に胸腔内の水分が減少してきた。しかも元気や食欲も改善し、全体に活発になってきた。今後少しでも良い状態で過ごせることを願いたい。 上の写真(左が初診時・右は1回目の胸水の抜去後の胸部X線写真)

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胃の内視鏡による多数の胃内異物の除去

中年の雑種犬がおもちゃのぬいぐるみを解体して、中にある音の出る円形プラスチック製の部品(直径4cm程)を19個飲み込んでしまったということで救急来院した。飲んで間もなかったので、症状は全くなかったが、催吐処置をするには異物が大きく、手術はできるだけしたくないという要望がありましたので、内視鏡で取り出すことになった。物がプラスチックだということと、この日は食事をたっぷりした後だったので、レントゲンにははっきりした異物は写し出されていません。ただ間違いなく飼い主が飲み込むのを見ていたのですからこれを取り出すしかないということです。結局1回の内視鏡処置ではフードが多すぎて、それに異物が隠れてしまって限界があったため、9個分だけ摘出して、翌日の胃内のフードがなくなってから、残りの異物を取り出すことになった。写真は胃カメラで見た胃の中の状態(右にバスケット型異物鉗子・中央に異物)と取り出した19個の異物です。  

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ラブラドールレトリーバーの急性膵炎

7歳の雌のラブラドールレトリーバーが急性の激しい嘔吐と食欲廃絶、元気消失と衰弱で受診。クッキーの詰め合わせの大箱を壊して中身を包み紙ごと完食した後からの症状で、下痢も伴っていた。体重42kgで肥満、ボディーコンディションスコアーは8/9。普段から間食も多く、尚且つ盗み食いが頻発して飼い主が手を焼いていた。体温39.4℃、腹部圧痛、衰弱と虚脱、血液検査では白血球増多(好中球と単球の増加)犬特異的リパーゼの高値、レントゲン検査では十二指腸とそれ以外の小腸内のガス像、胃内のガスと食物か異物か判断できない物質の存在、等の所見から胃内異物や腸閉塞および急性膵炎を疑いすぐに静脈確保し、輸液を開始した。点滴にH2ブロッカー、制吐剤、FOY、鎮痛剤(フェンタニール)、抗生物質を投与。吐き気がなくなり、状態が少し安定してから、試験開腹を実施したが結果は異物の閉塞は一切なく、驚いたのは膵臓が80%ほど白く壊死したように変色して浮腫を起こしていた。その一部を細胞診したら、好中球が多数存在し、すでに壊死を起こしていた。術後は消化の良い低脂肪食に消化酵素を混ぜて与えていただき、粘膜保護剤、整腸剤なども与えてもらった。さらにホモトキシコロジーの膵炎治療を加えたら、1週間経過した頃にかなり急速に状態が改善して元気が出てきたのと、食欲も次第に戻ってきた。2週間後には散歩や軽い運動もできるようになった。但し便の状態は時々緩めの便がでることがあった。3週間後では普通の生活ができるようになったが、依然、低脂肪食と消化酵素、そしてホモトキシコロジーのアンプル液と錠剤の5種類の内服による補助療法を週2回与えて安定していた。結局2か月ほどかかって犬特異的膵リパーゼの数値が正常となり、ほぼ完治となった。写真は異物の疑いと膵炎の病理検査の目的で試験開腹をした時の膵臓の状態を示したもの。 )    

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