月別アーカイブ: 8月 2019

犬の前十字靭帯断裂(TPLOによる修復手術)

  『前十字靭帯』は膝関節の中にある靭帯のひとつで、膝関節の過度な伸展を防止し、脛骨の前方への動揺と過度な内旋を制御している。 そのため、膝に過剰な力がかかったときに断裂してしまうことがある。   犬では、運動時に断裂がおこることはまれで、そのほとんどは加齢性および変性性変化があらかじめ靭帯に生じており、そこに負荷がかかる(散歩や階段の昇降といった日常生活での運動でも)と後押しになり、前十字靭帯が損傷・または断裂する。   症状は、前十字靭帯が部分断裂または完全断裂なのか、急性または慢性なのか、半月板損傷の有無によりさまざまな跛行(足を引きずる)がみられる。   前十字靭帯断裂に対しての治療は、外科手術が第一選択とされる。 当院では、症状が軽度・体重が軽い・外科療法を行ったときに合併症の発生リスクが高いと判断される症例に対しては、運動制限や鎮痛薬・サプリメント投与などによるの保存療法を行っている。   外科手術が適応になった症例には『TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)』という下腿骨の脛骨の関節面の角度を変える手術を行っている。 当院の手術室にはCアームという外科用のデジタルX線画像診断装置があり、手術中にリアルタイムで骨やピン・プレートの確認をおこなうことができる。   膝関節を露出し、断裂した前十字靭帯の処理と剥離していた半月板軟骨の切除をおこなった。(写真の症例はラブラドール・レトリーバー) 大腿骨と脛骨に固定具を装着し、脛骨近位を切断する半円形の器具を使用しているところ。 CアームX線装置で脛骨の角度を決めて、プレートと螺子できちんと固定されているかの確認をした。   術後のX線写真で膝関節が良い角度に修復されているのが分かる。     当院では、毎週火曜日と日曜日(午前中)に整形外科(長澤先生)の診療を行っています。 詳細はコチラのHPよりご確認ください。 http://www.hah.co.jp/specialist/geka.html

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ネコの腟脱

5才のネコ(バーマン)が自宅にて4頭の子猫を出産し、その後さらに力んで膣が脱出してきたとのことで来院された。 来院された際は、7〜8cmの長さで膣が脱出しており粘膜からの出血、血行不良のため黒ずんだ部位も見られた。また、膣が脱出してから来院までは1時間ほど経過しており、かなり腫れている状態であった。 鎮痛剤を投与し、胎児が残っていないかを確認するためにレントゲン撮影を行なった。胎児は確認されなかったため、脱出した膣を暖かい生理食塩水で洗浄し体腔内へと押し戻した。その後、生理食塩水を注入し再脱出を防止する目的で陰部を1糸縫合した。 腟脱は犬で発情期や分娩時にごく稀に発症するとされており、猫での発症も稀だと思われる。出産を予定していないのであれば卵巣・子宮摘出を行うことで腟脱の予防はできる。今回のような出産直後の腟脱や子宮脱は予防策はないが、できる限り早急に来院していただき処置する必要がある。

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