月別アーカイブ: 9月 2013

この時期ならではの腸閉塞

嘔吐、元気食欲なしの症状で来院した中年例のラブラドールレトリーバーが、X線検査でトウモロコシの芯が閉塞(写真①と②)しているのが見つかった。元々副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)があり、中枢神経症状もある子だったので、手術自体もややリスクがあることに加えて、術後の傷の治癒の遅れも懸念された。しかし状態が時間と共に悪化してくるため、飼い主の方とご相談した結果、その日の夜間の手術となった。(写真③は術中の閉塞していた空腸)(写真④は切り取った腸管と異物) 写真①② 写真③④  

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チェリーアイに良く似ている瞬膜(第三眼瞼)の腫瘍(腺癌)

9歳のトイプードルの右目がおかしいということで来院した。一見瞬膜の腫れ方からするとチェリーアイのようだが、チェリーアイ(先日の症例写真①)は通常2歳以下の若い年齢に多いのに、この子は老齢になって発症しており、チェーリーアイにはほとんど見られない目やに(眼脂)が多く(写真②)目の周囲が汚れていた。また瞬膜を反転するとチェリーアイのように表面がスムースではなく、凹凸がある(写真③)ので、まずは腫瘍を疑って、ニードルバイオプシーを行なったところ、あまり悪性度の高くなさそうな上皮系の腫瘍細胞が見られた。その為飼い主の方と相談し出来るだけ腫瘍をしっかり切除し、その摘出した腫瘤を病理組織検査に出すことにした。その結果は第三眼瞼腺由来の腺癌ということでした。動物の第三眼瞼腺由来の癌の報告はかなり少なく、予後などについての報告は非常に少ないので分からないというコメントでしたが、局所再発は充分考えられるので要注意ということになる。 写真①            写真② 写真③

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胸水貯留を伴った縦隔の高分化型リンパ腫の猫

11歳の猫が元気消失、1週間前から食欲廃絶、呼吸速迫という状態で来院した。レントゲン検査で胸水の貯留が認められた(写真上段右)ため、呼吸改善と胸水の細胞診の目的で胸腔内の液体を210ml抜去した(写真上段左)。縦隔内の腫瘤の針生検および胸水の細胞診で胸水には腫瘍性リンパ球が多数出現しており、IDEXでの検査結果は胸腔内の腫瘤はT細胞のリンパ芽球性リンパ腫が疑われるというコメント。また胸水のPCR検査の結果はTリンパ球のリンパ腫が疑われるという結果。つまり胸腔内前胸部の腫瘤は胸腺腫などではなく、高分化型のリンパ腫であった。その後3種類の薬剤を使用するCOPプロトコールを開始(化学療法剤開始時が下段写真右)、この時点ですでに胸水が増加している。化学療法開始から1週間後には胸水はかなり減少し、一般状態が改善し、元気食欲はほぼ正常と思われる状態に戻った(下段写真左)。現在は食欲旺盛、呼吸状態や元気も完全に戻った。

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慢性リンパ球性白血病のウェルシュコーギーの1年後

16歳のウェルシュコーギーで昨年7月の段階ですでに体表リンパ節の全てが腫大し、リンパ節の針生検による細胞診で高分化型の多中心型リンパ腫であることが分かっており、しかも末梢血のリンパ球が28000(正常値3000位)もあり、軽度の貧血も伴っていたため、慢性のリンパ球性白血病になっていることが予想されていた。しかし本人が無症状であることから、飼い主の方も特に治療を希望せず経過観察になっていた。最近まで特に大きな変化は無かったが、だいぶ年をとってきた感じがして、歩き方もややフラツキがあったそうだが、この2週間ほど前、このコーギーが車の下にいたのに気がつかず、動かしてしまい、そこから飛び出てきてから後、ほとんど歩けなくなってしまったという主訴で来院した。神経学的検査で上部運動神経症状を伴う後肢の不全麻痺があったので、脊椎のX線写真を撮ったところ、腰椎の部分骨折(下の写真矢印)が見つかった為、安静と対症療法(ステロイドを含む)を実施した。昨年から高分化型の多中心性リンパ腫は相変わらず存在し、昨年よりサイズがやや増大していることや血液のルーチン検査をしましたが、以前から多かった中型のリンパ球が44000にもなり、しかも貧血が進んできたため、ステロイドの使用も悪くはないと判断した。7日後にはかなり元気が出てきており、症状の改善がみられている。    

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ブルドッグのチェリーアイ(第三眼瞼腺逸脱)

瞬膜の内側にある線組織の炎症が原因で大きくなると、さくらんぼの様に赤く外側に飛び出してくるものをチェリーアイと呼びます。チェリーアイになった犬は、目を気にして前足でこすったり、まぶしそうに目を細めたり、まばたきの回数が増えたりといったしぐさが見られるようになります。そのほか、流涙(涙を流すこと)や目の充血が認められます。チェリーアイは片方の目だけに起こることもありますが、両方の目に起こることもあります。 通常、生後6ヵ月齢から2歳齢くらいの若い犬に多く認められます。 今回は1歳に満たない若いブルドッグが、1ヶ月ほど前に左目のチェリーアイの手術をして、完全に治癒していましたが、今回は反対側の右目のチェリーアイが発症した。今回の方がより大きな突出(写真①)でしたが、20分弱の手術で終了し、術後(写真②)はきれいに戻すことができた。 写真① 写真②  

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