月別アーカイブ: 11月 2013

ヨークシャーテリアのソケイヘルニア内に入り込んだ子宮蓄膿症

高齢のヨークシャーテリアが1~2週間前から元気食欲がなくなり、昨日から全く食べず動かなくなってきたということで、来院した。来院時体温が40.5℃で白血球は3万近く好中球の左方移動(急性炎症)と単球の増加(慢性化膿性炎症)が見られた。X線検査では腹部に液体貯留を疑わせるスリガラス状の陰影(写真①)があるのと、下腹部のマス様の陰影、また右腎腎盂(写真②)および膀胱内の結石が見つかった。ソケイヘルニア嚢内にも腸管以外の臓器らしいものが見える(写真③)。超音波(エコー)検査ではヘルニア嚢内に管腔臓器内に液体の貯留している像が実られた(写真④)。静脈点滴を開始し、抗生剤やビタミン類も静脈投与として治療を開始した。膿の漏出による腹膜炎を起こしている可能性があったため、その日のうちに手術を実施。 写真①                写真② 写真③ 写真④ 術前術後の写真 ⑤:手術前      写真⑥:開腹時 下の左はヘルニア嚢の切開時。右はヘルニア嚢の切開後の子宮の出現。   写真④:摘出した子宮         写真⑤:子宮壁から膿の漏出があった。 写真⑤:手術直後 術後の経過は良好で翌日から食欲が改善し、4日目に元気に退院した。      

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若齢のゴールデンレトリーバーの脛骨の螺旋状骨折

2ヶ月半齢のゴールデンレトリーバーがテーブルの下で走り回って遊んでいて、急にキャンキャン鳴いた後から左足を挙上したままになっているという状態で来院した。触診で膝下からかかとの間の触診でやや痛がり、脛骨の外転でかなり痛がる症状を示したため、脛骨、腓骨を中心に後肢のX線検査を実施した。 写真(左:前後方向 右:外側方向)斜めに黒い線が見えるが、螺旋状にヒビが入っているのが分かる。 治療法はまだ若いのでソフトギブスで固定するだけで、安静にしていれば2週間もすると骨の癒合がおきて歩けるようになるはずです。      

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猫の喉頭部の腫瘍

老齢猫が最近むせるような咳をして、苦しそうだということで来院した。以前の症状を聞かせていただくと、数ヶ月前から「いびき」をかくようになっていたらしいが、食欲も元気もあったので、それほど気にしていなかった。血液検査では大きな異常は無く、頚部X線検査で喉頭周囲の腫瘤により、気管入り口が極端に狭窄していた(下の写真)。元々外猫さんなのと気管入り口の狭窄のため、気管チューブも入れることが出来ないため、永久気管切開または気管切開による気管チューブを介しての呼吸をしてもらうしか助けることが出来ない状態です。現在ICUの酸素室に入っており、安静にしている限りは、何とか呼吸が落ち付いていますが、外に出した途端に一気に呼吸困難になってしまうので、腫瘤部の細胞診すら出来ない状態なので、とりあえず細菌感染によるものか、猫に多いリンパ腫ならば、反応があるかもしれないので、抗生物質とステロイドを投与していますが、現在のところあまり変化がありません。いずれ呼吸不全に陥ることになる事を飼い主の方もご存知ですが、酸素室に入っていると呼吸が落ち着いているため経過観察となっています。 この症例の投稿をした数日後に、飼い主の方と何度かご相談をしてきたが、結論として呼吸不全になって、最悪の状況になるのを待つよりもそろそろ限界になってきた今、楽にしてあげるのがこの子にとって一番良いのではないかということになった。  

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15歳の猫の大腸腺癌(盲腸・結腸および空腸)

15歳の日本猫が4日前から食欲低下と軟便がみられたということで、来院した。そして1ヶ月前から600gも体重が減少していることが分かり、腹部触診で3~4cmのマス(しこり)が触知されたため、精密検査をさせていただいたところ、X線検査では特に異常所見はなかったが、超音波検査で回腸・盲腸・結腸の移行部の回盲結口のところにマスがあることが分かり(写真①・②)、回腸の一部や結腸および盲腸の壁が肥厚して内腔が異常に狭窄している(写真③)ことが分かったため、いずれにしても狭窄部を開通させる必要があることから、異常部分を切除し、その切除した検体を病理組織検査することになった。診察してから2日後に手術になったが開腹すると2日前には無かった腹水がかなり溜まっており(やや白濁:写真④)、腹膜には1~3mmの白っぽい小結節が多数存在していた(写真⑤)腹水排出後回腸(4~5cm)・盲腸(全体)・結腸(4~5cm)を腫瘤ごと切除し、結腸と回腸の吻合術を行なった(切除前:写真⑥、術後:写真⑦)。術後は経過順調で、翌日は飲水のみで、2日目に流動食を少量からスタートしたが、毎回100%の食欲で、順調に回復して1週間後に退院した。腸管を10cm以上切除したので、通常排便は1ヶ月間は下痢や軟便が続くが、病理組織検査で大腸癌ということが分かり、しかも腸間膜の多数の小結節はこの腺癌の転移という結果でしたので、予後はあまり良くありません。場合によっては何も治療をしなければ、1ヶ月以内に状態が悪くなることもありえます。現在これからの治療については家族で協議中です。 写真①・写真② 写真③ 写真④・写真⑤ 写真⑥・写真⑦                                                      

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