月別アーカイブ: 3月 2014

犬の約10cmのうっ血を伴った副脾

12歳になるラブラドールレトリーバーが健康診断のX線検査で、前腹部に腫瘤(マス)があることがわかった。レントゲン検査では何も異常のなかった3ヶ月前の写真①と今回のレントゲン写真②。超音波検査で8~10cm近いマスとして確認できた写真③と④。このマスは肝臓や脾臓との接点はなく、当初は腸間膜根のリンパ節の腫大か、何らかの腫瘍ではないかと考えた。しかし飼い主との相談の結果、開腹して外科的切除生検をすることになった。実際に取り出してみると大網内に包まれた円形に近い形状のマス(写真⑤)が存在し、いくらかの癒着を外して摘出(写真⑥)した。取り出したマスの割面(写真⑦)。結局、病理組織検査の結果はうっ血を伴う副脾の疑いということだった。今まで避妊手術や他の開腹手術でたまたま見つかった副脾は1cm前後のものが多かったので、今回のように10cm大の副脾は見たことがなかった。 写真①3ヶ月前 写真②今回 写真③ 写真④ 写真⑤ 写真⑥ 写真⑦  

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ゴールデンレトリーバーの前肢の中手骨の滑膜乳頭状過形成

8歳近い雌のゴールデンレトリーバーの左前肢の甲の部分の腫れに、飼い主が昨日気付いて来院した。多少の熱感はあったが、特に跛行もなく、その部分の触診では嫌がる程度だった。 病理検査結果:診断病理医のコメントは滑膜細胞表面に少数の骨片や軟骨片が付着しており、患部の骨や軟骨の表面が剥離したことによる滑膜炎や滑膜の過形成が起きた可能性があるということでした。つまり何らかの鈍性の外傷により、骨や軟骨に損傷がおこり、二次的に滑膜が過形成を起こして、軟部組織の腫脹を来たしたと考えられる。 写真①腫大した患部 写真②レントゲン写真 写真③ウェッジバイオプシーの採材したものと術後  

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猫の細菌感染による化膿性肉芽腫性腸炎に腹膜炎を併発した症例

5歳の日本猫が他院にて治療を受けていたが、一向に食欲元気がないということで転院された。40℃の熱があり、白血球増多(中毒性好中球の出現)などから重度の炎症(感染症など)が疑われた。腹部の触診で中腹部に7~8cm大の腫瘤を触知したので、レントゲン検査をしたところ、右側中腹部に大きなマス(写真①)があった。腹部全体がスリガラス状で小さなガス像(写真②)が腹腔内に存在していることから腹膜炎の疑いもあった。状態が悪くなっていたので、その晩に緊急手術を実施したところ、腹腔内には膿様の液体の貯留(写真③)があり、腫瘤は腸間膜や大網が癒着(写真④)していた。腫瘤のあった場所は小腸と大腸の境目つまり盲腸のあたり(写真⑤)に形成されていた。従って回腸の一部と腫瘤のあった盲腸および結腸の一部を切除(写真⑥は切除したもの)した。回腸と結腸の断端(写真⑦)を吻合させた後が写真⑧。摘出した腫瘤と腸管に割面を入れたものが写真⑨。その割面のスタンプの染色したものが写真⑩で好中球とマクロファージが多数存在する炎症性の腫瘤と考えられた。病理組織検査では細菌感染による化膿性肉芽腫性腸炎という診断だった。 写真①         写真② 写真③ 写真④ 写真⑤ 写真⑥ 写真⑦ 写真⑧ 写真⑨ 写真⑩      

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猫の胸腔の悪性中皮腫

14歳の日本猫が約1ヶ月前から食欲が低下、1週間前より元気食欲なく、呼吸が速く荒いということで来院。血液検査では白血球増多(好中球増加)ストレスによるやや高血糖、やや低蛋白、それ以外は正常だった。呼吸速迫と聴診で心音が聞こえ難いということがあり、X線検査をしたところ、写真①の左のように胸腔内に液体が貯留していることが分かり、胸腔から穿刺により380ccの液体を排液することができた。写真①の右は胸水の抜去後。この採取した胸水の直接塗抹および沈査の塗抹標本を鏡検してみると多数の中皮細胞(写真②)があり、好中球やマクロファージといった炎症細胞がほとんど無いことから、中皮腫であることがわかった。病理医にも見ていただいたところ、4つ以上の核の悪性所見が何とかクリアーした(写真③の中央の中皮細胞は核の分裂像)ので、悪性中皮腫と診断して良いでしょうという結論だった。いずれにしても高齢であることと、猫の中皮腫の化学療法(胸腔内投与)による治療は、犬で使われているシスプラチンは猫には毒性が出やすいため使えません。恐らく同じ白金製剤のカルボプラチンを使うことは出来そうですが、効果がどの程度あるかのエビデンスは症例数が少なく、ほとんど皆無に等しい。この猫さんは10日余りでまた胸水が貯まりだし80ccほど採取できたが、今後の化学療法剤の使用については飼い主の方と充分相談の上決定していくことになる。 写真① 写真② 写真③

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雑種犬の尾の慢性炎症性肉芽腫の外科治療

数年前から尾の先端をかじったり、舐めたりしてしまい、色々な治療をしても治らないということで来院した。早期治癒をご希望でしたので、病変部を含めた断尾をして治療することになった。 下の写真2枚は術前の尾の病変部 下は尾根部から断尾をした術後の写真  

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