大型犬の胃捻転

中年齢の大型犬が急に立ちっぱなしで動かなくなり、急にお腹が膨れて呼吸が早くなってきた症状で夜間救急動物病院に行かれた。診断は胃捻転。胃ガスを抜く処置をして、輸液等の救急処置をして、翌朝当院に来院。その時点でもほとんど動けない状態だった.X線検査をして胃がほぼ180度の回転をしていた為、輸液をしすぐに手術になった。まずは胃チューブを入れてガス抜きをした後に開腹し、胃の漿膜から粘膜下織までをフラップ上に剥離し、これを腹壁にトンネルを作ってそこをくぐらせて元の位置にフラップを戻して縫合する。最後にもう一度胃の漿膜と腹壁が密着するように補充の縫合をして、閉腹。あとは通常の皮下織と皮内及び皮膚縫合となる。写真はガスを外から抜いて胃チューブでガス抜きをしてからの開腹時の写真。

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大型犬の上腕骨遠位の非上皮性悪性腫瘍の治療

8歳の大型犬が外傷による急な右前肢の跛行で来院した。整形外科専門担当獣医師の触診やX線検査等の診断で靱帯損傷の疑いがあったため、非ステロイド性の抗炎症剤の内服をしたが、少し改善したものの跛行は相変わらず存在した。X線検査で当初より上腕骨遠位にわずかな骨融解像があったが、その後の検査でその部分がより明確な骨融解となり、さらに外側だけでなく、内側にも骨融解が見られるようになった。それと同時に跛行の程度もより重度になってきた為、腫瘍科の専門医と相談し、数日後に骨のパンチ生検を実施。細胞診と病理組織検査で上腕骨遠位の骨の非上皮性悪性腫瘍という事が分かった。非上皮性悪性腫瘍の中には骨肉腫も含まれるが、確定診断は得られなかった。そこで飼い主の方と相談し、いずれの骨腫瘍も今後の足の痛みが更に悪化して行くことと、それに対処できる痛み止めには限界があること、また骨の悪性腫瘍の為、内臓への転移の可能性が十分考えられるので、早期の内に断脚手術をすることで、痛みをとってあげることができるのと、手術後の抗がん剤の投与で、他への転移した癌細胞を叩いていくことで寿命が伸ばせる可能性があることなどをお話した結果、断脚手術を実施することになった。

 

 

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緊急に行った後肢を用いた猫の腹壁壊死開孔部の閉鎖

3歳の日本猫に原因不明(何か薬品が体にかかっていたようだとのこと)の右側の胸部および腹部から大腿部までの広範囲の皮膚の壊死が起こり、次第に数日で皮膚から筋層にまで壊死が進み、入院4日目には腹壁の一部から腹腔内臓器と脂肪が露出してきた為、白色化して壊死した組織をきれいにデブリードした後、緊急に後肢の大腿骨と脛骨・腓骨の骨幹部を除いたほとんどの組織(皮膚から筋層まで)を用い、欠損している場所すべてを被覆し、縫合することで順調に経過し、2週間ほどで抜糸した。            以下の写真を参考にして下さい。                         経時的に壊死部分が増大していくのが分かると思います。レントゲン写真を見ると移植に利用した後肢の位置関係が分かります。

 

 

 

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犬の皮下膿瘍後の大きな壊死哆開部のwet-to-dry法による治療

飼い主の方は頬が腫れてきたので、虫にでも刺されたのではないかとおっしゃっていたが、恐らく他の犬に襲われたことがあり、その時瞬間的に噛まれていたのを気が付かずにいて、そこに咬傷による化膿(膿瘍)を形成していたと考えられる。毛を刈って確認してみると皮膚表面は壊死をしており、内側には液体がたまっていた。内用液を採取して検査してみるとまさに血膿(赤血球、細菌と好中球、変性好中球、マクロファージ、細菌の貪食像)であった。その後切開排膿、生食水で十分な洗浄後、壊死部のデブリードメンを行ない、ガーゼ交換はwet-to-Dry法による2~3回

/日、その後肉芽組織が十分上がってから、傷の縮小、そして1か月以上かかったが完治となった。

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フラットコーテッドレトリーバーの組織球肉腫

12歳の雌のフラットコーテッドレトリーバーが左後肢の跛行で来院。左後肢の膝関節の腫脹があり、X線検査で関節周囲が腫脹しており、大腿骨遠位の僅かな骨融解と骨膜反応があった。また関節液も貯留していたため、関節液を採取して検査したところ、好中球は多かったが細菌の貪食像はなかった。腫脹している関節周囲の組織に針生検をして細胞診をしたところ、かなり悪性度の高い大型の非上皮性腫瘍細胞が多数みられた。そこで後日全身麻酔下で組織を一部採取し、病理組織検査を実施。その結果この犬種に特に多い組織球肉腫であることが判明した。飼い主の方とご相談の上、現在と将来増加する痛みをとってあげるというQOL向上の目的といくらかでも周囲の転移を防ぐ目的で、左後肢の断脚手術を選択された。この子は元々犬には珍しい皮膚の好酸球性肉芽腫が数年前から耳介や顔面、足先などに発生し、その度ステロイド剤により治療して改善していた。そして現在も隔日で投与していたが、手術してから抜糸するまではこのステロイドを中止することになる。また術創の治癒の遅延が考えられるため、2週間以降の抜糸となる。

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